元検察官vs“犯罪者”の戦い──“多様性”と“ネットミーム”を強みにカマラ・ハリス氏は女性初の米大統領になるのか?

AI要約

トランプ元大統領との争いが予想される民主党候補カマラ・ハリス氏。彼女は様々な“女性初”を達成してきた元検察官であり、2020年の米大統領選を取材していた記者とプロデューサーが、彼女の強みについて論じる。

2020年の大統領選前、多様性に富んだ予備選が行われたが、バイデン氏とのバトルで敗北。彼女の支持層が限定されていたことや政策の柔軟性が影響した可能性がある。

ハリス氏は民主党の指名獲得がほぼ確実となり、トランプ氏との一戦に備えて動き出している。検察官から副大統領に昇格し、数々の女性初を切り開いてきた彼女の多様なバックグラウンドが注目されている。

民主党候補としてトランプ元大統領と争うとみられるカマラ・ハリス氏。元検察官で、数々の“女性初”を切り開いてきた彼女の大統領候補としての強みは?

2020年の米大統領選前にハリス氏を取材していた国際部・飯塚真代記者と、報道局ジェンダー班の白川大介プロデューサーが深掘りトークします。

国際部 元NNNニューヨーク支局 飯塚真代記者

「2020年の大統領選で最終的にバイデン氏とトランプ氏が対戦することになるんですけども、その前の予備選を取材していました。取材した時点では24人が立候補して、まさに乱立状態。そのうち6人が女性、3人が黒人で、さらに同性パートナーをもつブティジェッジ氏も出ていまして、本当に多様性に富んだ予備選のレースだったんです」

「2020年が女性参政権獲得から100周年という節目でもあって、白いスーツを議会で女性議員が着るような盛り上がりを見せていた時期でした。女性初の大統領が生まれるんじゃないかみたいな期待感もあって取材しようと思いました」

報道局ジェンダー班 白川大介プロデューサー

「結局、バイデンさんに敗れる形になったわけですけれども、その理由を飯塚さんはどう感じていますか」

飯塚記者

「ひとつ言えるのは、あまり刺さる層がなかった印象がありました。彼女は黒人であり、女性であり、移民のルーツを持つんですけれども、当時黒人人気はバイデンさんが高かったんです。オバマさんの相棒だったというイメージがあるので」

「また、若者に関しては、保険制度や奨学金返済といった若い人たちの関心があるテーマに対して大胆な政策を打ち出していた、“急進左派”といわれるサンダースさんなどに支持が集まりました」

白川プロデューサー

「11月の大統領選に向けて、トランプさんと戦う民主党候補になることはほぼ確実という状況なんですかね」

飯塚記者

「22日には民主党内での指名獲得に必要な過半数の代議員を集めたと報じられて、その時点で指名はほぼ確実となりました。早ければ8月1日にもオンライン投票が行われて、7日までには正式な指名に至るのではないかということです。さらに19日から始まる党大会で正式な受諾演説を行って、どのようなことを語るのか注目されています」

白川プロデューサー

「バイデンさんからハリスさんに変わったことで、僕の印象としては白人高齢男性同士の戦いから一気に構図が変わったなと思うんですけれども、ハリスさん、改めてどんな人なんでしょうか」

飯塚記者

「父親がジャマイカ出身、母親がインド出身ということで、黒人であり、アジア系でもあり、移民でもあり、女性といういろんなアイデンティティーを持った方です」

「なおかつ、検察官としてキャリアを歩んできて、女性初のカリフォルニア州司法長官にもなっています。その後は上院議員として司法委員会での鋭い追及などで注目を浴びて、その後バイデンさんから指名されて初めての女性副大統領になったということで、あらゆる女性初を切り開いてきた人と言えます」