米軍、豪州北部にインフラ整備 中国対応念頭に

AI要約

米軍がオーストラリア北部ダーウィンに軍事関連施設を建設し、中国との緊張が高まり、南シナ海への戦力投射を準備していることが明らかになった。

施設建設が進むダーウィンには米海兵隊も駐留しており、地理的重要性が高まっている。

施設は爆撃機、ステルス戦闘機、給油・輸送機の支援業務を行うもので、外国軍基地としてではなく、国際パートナーが利用できる設備として位置付けられている。

米軍、豪州北部にインフラ整備 中国対応念頭に

Kirsty Needham

[ダーウィン(オーストラリア) 26日 ロイター] - 米軍がオーストラリア北部ダーウィンに軍事関連施設を建設し、中国との緊張が高まり危機的状況となった場合に南シナ海への戦力投射に役立てようとしていることが、ロイターが入手した文書や米豪国防当局者の話で明らかになった。

ダーウィンにはオーストラリア軍の基地があり、米海兵隊ローテーション部隊も毎年、6カ月間駐留している。

中国を巡る緊張が高まる中、オーストラリア北部の地理的重要性が高まっている。米国はダーウィンでB52爆撃機、F22ステルス戦闘機、給油・輸送機の支援業務を行う数億ドル相当の施設を建設し始めた。

米海兵隊ローテーション部隊指揮官のブライアン・マルビヒル大佐は「いかなる危機においても部隊の派遣先に複数の選択肢があることはいいことだ」と語った。

入札書類によると、爆撃機用の滑走路や倉庫、データセンター、整備用格納庫などの建設が行われている。

今回取材に応じた豪米の国防当局者は、建設中の施設について、米軍基地と捉えるべきではないと説明。豪州にとって外国軍の基地はデリケートな問題で、アルバニージー現政権を含む歴代政権は国内に米軍基地は存在しないとの立場を取ってきた。

オーストラリア空軍のロン・ティリー空将は「全ての基地はオーストラリアの基地であり続けるが、国際パートナーが利用できるようになる」と述べた。

マルビヒル氏は「ダーウィンは、米軍が地域に安定をもたらすための絶対的に重要な場所」とし、「われわれはオーストラリア軍との相互運用性、オーストラリア北部を起点にして地域にいかに戦力を投射できるかに重点を置いている」と語った。