ウクライナ軍総司令官「ロシア軍の目標達成を阻止」 ハリコフ州への越境攻撃

AI要約

ウクライナ軍のシルスキー総司令官は、ロシア軍のハリコフ州への侵攻を阻止し、戦闘が続いていることを明らかにした。

ウクライナ軍は増援と武器投入により安定化を図り、露軍との戦力差を克服しようとしている。

露軍は一部の戦術的成功を収めつつも、戦略的都市の制圧には至っておらず、高い犠牲を払って前進している。

ウクライナ軍総司令官「ロシア軍の目標達成を阻止」 ハリコフ州への越境攻撃

ロシアの侵略と戦うウクライナ軍のシルスキー総司令官は、東部ハリコフ州の国境地域に「緩衝地帯」を確保しようとした露軍の目標を、ウクライナ軍が「阻止」することに成功したとの認識を示した。ただ、同州での戦闘はなお続いているとした。24日に英紙ガーディアン(電子版)が公開したインタビューで発言した。

露軍は5月、ハリコフ州への越境攻撃に着手。プーチン露大統領は越境攻撃の目的について、同州に接する露領土をウクライナ軍の攻撃から守るための緩衝地帯を設けることだと主張した。

越境攻撃の開始当初、ウクライナ軍は後退を強いられたが、同州に増援部隊を派遣し、欧米諸国から供与された兵器も投入。戦線の安定化に成功したとされ、過去1カ月以上、露軍の目立った前進は伝えられていない。

全体的な戦況についてシルスキー氏は、露軍の戦力はウクライナ軍の2~3倍で、ウクライナ軍より優位だと認めた。その上で、露軍の物量に対し、兵器の性能差などで対抗する考えを示した。

シルスキー氏は東部ドネツク州などで露軍が徐々に前進していることに関し、露軍は戦略的価値の高い都市の制圧などには成功しておらず、局所的な「戦術的勝利」を収めているに過ぎないと説明。露軍が強引な前進の代償として、ウクライナ軍の3倍の死傷者を出しているとも指摘した。