中国が11カ月ぶり利下げ 1年物0・1% 住宅ローン金利基準も引き下げ 景気鈍化に対応

AI要約

中国人民銀行がローンプライムレートを0.1%引き下げ、企業向け融資の拡大を促して景気を下支えする。

住宅ローン金利の基準であるLPRの5年物も0.1%引き下げ、中国経済の不動産市場対策として効果を狙う。

1年物のLPRは金融機関の貸出金利の目安であり、金融緩和の強化で融資を拡大して設備投資を促進する。

【北京=三塚聖平】中国人民銀行(中央銀行)は22日、企業への貸出金利の目安で事実上の政策金利と位置付ける「ローンプライムレート(貸出基礎金利、LPR)」の1年物を0・1%引き下げ、3・35%にした。利下げは昨年8月以来11カ月ぶり。

中国国家統計局が15日発表した2024年4~6月期の実質国内総生産(GDP)は前年同期比4・7%増で、5・0%増程度を見込んだ市場関係者の市場予測を下回った。利下げで企業向け融資の拡大を促して景気を下支えする考えとみられる。

住宅ローン金利の基準となるLPRの5年物も0・1%引き下げ、3・85%とした。5年物の引き下げは今年2月以来5カ月ぶりとなる。中国経済を巡っては、不動産市場の長期悪化が景気の足かせとなっている。中国政府は5月に在庫住宅の買い取りなどの対策を矢継ぎ早に打ち出したが目立った効果はまだ表れていない。住宅ローン金利の引き下げを促すことで低迷が続く市場の刺激を狙う。

1年物のLPRは金融機関の貸出金利の目安となっており、金融緩和の強化で融資を拡大して設備投資を促す。