五輪迫るパリ、緊張感と期待感が同居 警官は厳戒、交通規制で移動は苦労

AI要約

パリ市内で五輪開会式までの緊張感と期待感が高まる中、準備が進展。武装警官による厳戒態勢と大規模な交通規制が目立つ一方、市内の名所に五輪の仮設施設が立ち並び、五輪ムードも漂っている。

パリは過去にテロの標的となった歴史があり、五輪開催による国の威信がかかっているため、厳戒態勢がとられている。イベントの安全確保が重視されている。

オフィシャルショップや名所に五輪関連のグッズや装飾が施され、五輪開催への期待が高まっているパリ市内。五輪の始まりに向けて盛り上がりを見せている。

五輪迫るパリ、緊張感と期待感が同居 警官は厳戒、交通規制で移動は苦労

五輪の開会式が行われる26日まで1週間を切ったパリ市内で、緊張感と期待感が同居している。会場のセーヌ川沿岸を中心に武装警官の姿が目立ち、厳しい交通規制で移動もままならない。一方、競技会場にもなるエッフェル塔やコンコルド広場といった〝街の顔〟に大規模な仮設スタンドが立ち並ぶなど、100年ぶりに花の都へ戻ってくる祭典の準備は着々と進んでいる。

セーヌ川沿岸では日本ではまず見かけない自動小銃を手にした多くの警察官が目を光らせ、警察車両がサイレンを鳴らしながら行き交う。セーヌ川付近の道路は交通規制のため多くがフェンスでふさがれ、目的地にたどり着くのも一苦労。地図が当てにならず、土地勘のない観光客にとっては苦行だ。

高い知名度を誇るパリで事件が起きればニュースは世界を駆け巡るため、幾度もテロの標的となってきた。スポーツ界最大のイベントである五輪は、とりわけ注目度が高いだけに狙われかねない。トラブル発生はフランスの威信を揺るがす事態で、厳戒態勢に国としての覚悟がにじむ。

一方、ものものしい警官たちを取り巻いているのは、五輪のシンボルマークや「PARIS2024」といった文字が入った旗や横断幕だ。コンコルド広場付近のオフィシャルショップも大盛況。ともに世界遺産であるエッフェル塔に五輪、凱旋門にパラリンピックのシンボルが掲げられ、多くの人がカメラを向けるなど五輪ムードの高まりも感じさせる。

オフィシャルショップでグッズを品定めしていたフランス在住の日本人女性は、「警官が増えて交通規制も厳しくなり、五輪が始まるって感じがしてきた。実際に開幕したら競技で五輪を楽しみたい」と話す。世界の目が集まる夢舞台の幕開けが迫ってきた。(奥山次郎、大石豊佳、久保まりな)