システム障害、影響続く 航空便、正常化に数日

AI要約

米IT企業のソフトウェア更新が原因で世界的なシステム障害が発生し、航空便の遅延や欠航、金融機関や病院の混乱が生じている。

影響を受けた主な企業は米デルタ航空やマイクロソフトなどで、システム障害の影響は大きかった。

病院の診察遅延や裁判所の閉鎖、銀行の取引停止など、幅広い分野で影響が出ており、復旧には数日かかる見込み。

 【ニューヨーク時事】米IT企業のソフトウエア更新が引き金となった世界的なシステム障害の影響が長引いている。

 フライト追跡会社によると4万便以上が遅延、4500便以上が欠航となり、正常化にはなお数日かかる見通しだ。金融や政府機関、病院など幅広い分野に混乱が生じており、システム障害としては過去最大級とみられる。

 原因となったのは、国際的なサイバーセキュリティーを担う米クラウドストライク。米マイクロソフトのクラウドサービスや基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」搭載端末に不具合を引き起こした。

 航空便の混乱は夏休みシーズンを直撃した。SNSには各地の空港で乗客が途方に暮れ、電光掲示板に「復旧中」とだけ映し出されている様子や、「初めて手書き搭乗券をもらった」などとする投稿が見られた。

 最も影響を受けたのは米デルタ航空で、運航便の27%が欠航となっている。次にユナイテッド航空、アメリカン航空が続き、米系への影響が大きかったもようだ。

 報道によると、米国や英国の病院では、患者の診察が遅れたり、予約システムが使えなくなったりした。米国では各地の裁判所が閉鎖され、裁判手続きに遅れが生じた。銀行で入金などの取引ができなくなったほか、一部ホテルでは部屋の電子キーが使えなくなった。