AIがスマホの好況率いるか…サムスンに続きグーグルとアップルも出撃

AI要約

スマートフォン市場がAIブームにより回復傾向にあり、世界各社がAIスマホを投入して競争が激化している。

グーグルやアップルなどの新しいAI機能搭載スマートフォンが登場し、市場に活気を取り戻す可能性が高まっている。

AIがスマートフォン市場に新たな変革をもたらす可能性があり、業界関係者の期待も高まっている。

人工知能(AI)ブームが沈滞したスマートフォン市場にも活気を吹き込むだろうという期待が大きくなっている。市場調査会社IDCは15日、4-6月期の世界のスマートフォン販売台数が2億8500万台で前年より6.5%増加したと明らかにした。IDCは「4四半期連続の出荷量増加。回復に向けたモメンタムを構築している」と評価した。AIスマホ時代の火ぶたを切ったサムスン電子などに力づけられスマートフォン市場が緩やかではあるが回復傾向を見せると分析される。業界ではスマートフォンの買い換え周期がある程度前倒しされたシグナルとみている。

昨年の世界のスマートフォン出荷量は11億6000万台で、この10年で最も少なかった。だが上半期にサムスン電子「ギャラクシーS24」に続き、下半期にグーグルとアップルもAIスマホを出し、スマートフォン市場が全般的に回復してサムスンの独壇場であるAIスマホ市場の地図も変わるだろうとの見通しが出ている。

外信によると、グーグルは来月13日のイベントで、既存の「サークル・トゥ・サーチ」(モバイルジェスチャー検索機能)などにグーグルの新しいAIモデル「ジェミニ」基盤の機能を追加したスマートフォン「ピクセル9シリーズ」を公開する。米IT専門メディアのザ・バージは「グーグルが毎年10月にピクセルスマホを公開した日程を今年は大きく繰り上げる。9月予定のiPhone16より先に話題になるかもしれない」と伝えた。

アップルは9月ごろにiPhone16を発売する際に「アップルインテリジェンス」と呼ばれるAI機能を前面に出す可能性が大きい。ブルームバーグは最近消息筋の話として、アップルがAI基盤需要で下半期の販売台数を前年の8100万台から10%高め9000万台に増やしたと伝えた。また、「アップルはサムスンやシャオミなどと競争する渦中にも、2024年の販売台数増大を独自に予想するとみられる」とした。米CNBCは今年初めに「スマートフォンメーカーがAI機能に自信を持ちスーパーサイクル(超好況)をもたらすだろうと期待する」と伝えた。

IDCによると、スマートフォン市場の最後のスーパーサイクルは2010~2015年だった。スマートフォンの大衆化と、フェイスブック、インスタグラム、ウーバー、ワッツアップなどの「キラーアプリ」の登場がかみ合わさり、5年間に市場規模は年間3億台から15億台と5倍に拡大した。

AIスマートフォンをまだ「ゲームチェンジャー」と考えるのは難しいという懐疑的な見方もある。ニューヨーク・タイムズは「AIはまだ新しい。こうした改善が大衆に共感を得るかは不確実だ」と評した。業界関係者は「AIは明らかな革新だが革新が必要ない消費者もいる。フィーチャーフォンからスマートフォンに進む時と違い、フォームファクター(機器形態)や基本ソフト(OS)の面で大きな違いがなく、超好況はしばらく容易ではないだろう」と予想した。

核心はスマートフォンを買い換えるほどAI機能が日常を変えられるかにかかっているという話だ。IDCのアナリスト、フランシスコ・ジェロニモ氏は「過去のスーパーサイクルは単にアップルがiPhone、グーグルがアンドロイドを発売したのではなく、人々がインターネットをポケットに入れられるようになったためだった。フィーチャーフォンはコミュニケーション方式を破壊し、スマートフォンが他のあらゆるものを破壊し、次の主流はAIになるだろう」とした。

AIスマホ販売台数で上半期に世界トップを守ったサムスン電子も近づく新たな波を鋭意注視する雰囲気だ。AIの流れでやや遅れをとったようなアップルが確実なソフトウエアの強さをみせられるなら構図が変わりかねないからだ。サムスンはハードウエアの強みを生かしてネットワークに連結せず機器自体で各種AIサービスを提供してきたデバイスAIを強化し差別化する戦略だ。