トランプ暗殺未遂事件は「米中露3大国」の今後にどう影響するのか…? 世界は今、トランプの一挙手一投足を注視している

AI要約

トランプ前大統領が暗殺未遂事件に巻き込まれた際の様子や、バイデン大統領が国民向け演説を行った内容を報告。

狙撃犯が射殺された写真がSNSで拡散されるも、動機は不明。FBIは単独犯と見なしている。

トランプ暗殺未遂事件がアメリカ、ロシア、中国の関係にどのような影響を与えるのか、探る。

トランプ暗殺未遂事件は「米中露3大国」の今後にどう影響するのか…? 世界は今、トランプの一挙手一投足を注視している

私はいま、2枚の「おぞましい写真」を見ながら、この原稿を書いている。いずれも「トランプ暗殺未遂事件」に関するものだ。

一つ目は、顔から血を流しながら、必死に拳を振り上げているドナルド・トランプ前大統領(78歳)の雄姿である。トランプ氏は、まるでリング上のプロレスラーのような顔をしている。バックには、星条旗が翻っている。

アメリカの報道によれば、周囲を取り囲んだシークレットサービスが、トランプ氏を早く車に押し込もうとした。だが、トランプ氏はそれを押しのけて、何度もガッツポーズを行ったという。おとといの本コラムの「詳報」で書いたように、私は日曜日の朝、この演説をCNNで見ていた。

参照)【詳報】トランプ氏「暗殺未遂事件」を機に、日本で「岸田降ろし」が加速するワケ

この映像は、繰り返しアメリカで流された。現在のアメリカ社会は分断されているとはいえ、なお幾ばくかの「無党派層」はいるだろう。数は少ないかもしれないが、やはり一部は「『老いぼれバイデン』(トランプ氏の常套句)よりも、トランプの方がパワフルだ」と感じたに違いない。

ジョー・バイデン大統領(81歳)も、アメリカ時間の14日昼(日本時間15日未明)に、ホワイトハウスのオーバルオフィスから、7分間の国民向け緊急演説を行った。それはいつになく力強いもので、「呆(ほう)けた空咳」も数度しか行わなかった。

「アメリカで政治的な緊張が高まっており、われわれは試練の時を迎えている。暴力は絶対に許されるものではない。たとえ主張の違いがあったとしても、暴力ではなく平和的な議論を行うべきだ。団結は難しい目標だが、いまのわれわれには、それ以上に重要なものはない。団結しようではないか。われわれなら、それが可能だ……」

このように、「トランプ襲撃」のテロを非難し、国民の団結を訴える内容だった。だがこのスピーチが、どれほど自身の「失地回復」につながったかは未知数だ。

もう一枚は、トランプ氏を狙った狙撃犯で、その場で射殺されたトーマス・マシュー・クルックス容疑者(20歳)の写真である。シークレットサービスに射殺された後で、やはり血だらけで倒れている。こちらも、実に衝撃的な写真だ。この写真は、公共の放送などでは公開されていない。だが、アメリカ国内のSNSでは急速に拡散しているそうで、知人のアメリカ人が送ってくれた。

FBI(米連邦捜査局)は、クルックス容疑者の単独犯による犯行と見なしているという。動機はまだ不明だが、状況証拠からして、それはその通りなのだろう。宗教的な過激派組織の仕業とかには見えない。

今回の「トランプ暗殺未遂事件」は、今後のアメリカ、ロシア、中国の「3大国」に、どのような影響を与えていくのか? 以下、そのことを掘り下げて見ていきたい。