マカオ、2024年5月の新規住宅ローン承認額が前月から26.3%減

AI要約

マカオ金融管理局が発表した2024年5月の住宅及び商業物件向けローン関連統計によると、住宅不動産向けの新規ローン承認額は3ヶ月ぶりに減少し、商業不動産向けは2ヶ月連続で増加した。

住宅ローン市場では、マカオ居民向けの新規貸付が大部分を占め、商業物件向けのローン貸付額は前月から133.2%増加した。一方で、住宅ローン融資残高は前月からわずかに減少した。

住宅ローンや商業物件向けのローン延滞率は上昇傾向であり、不動産市場には利上げや政府の価格抑制策などの影響が見られる状況である。

マカオ、2024年5月の新規住宅ローン承認額が前月から26.3%減

 マカオ金融管理局が7月11日に公表した今年(2024年)5月の住宅及び商業物件向けローン関連統計によれば、対前月の新規ローン承認額は住宅不動産向けが3ヶ月ぶり減、商業不動産向けが2ヶ月連続増だったとのこと。

 今年5月の新規住宅ローン貸付承認総額は前月から26.3%減の10.2億パタカ(日本円換算:約205億円)。このうち、マカオ居民(=マカオ居民IDカード保有者)向けが前月から27.2%減の10.0億パタカ(約201億円)で、全体の97.9%を占めた。非居民向けについては64.5%増の2200万パタカ(約4.4億円)。直近3ヶ月でみると、今年3~5月の新規住宅ローン貸付承認額の月次平均値は11.1億パタカ(約223億円)で、今年2~4月との比較で11.4%増。

 新規商業物件向けローン貸付承認額は133.2%増の28.9億パタカ(約581億円)。このうち、マカオ居民向けが前月から335.7%増の28.8億パタカ(約579億円)で、全体の99.8%を占めた。非居民向けについては700万パタカ(約1.4億円)まで減少。直近3ヶ月でみると、今年3~5月の月次平均値は16.1億パタカ(約324億円)で、今年2~4月との比較で67.0%増。

 今年5月末時点の住宅ローン融資残高は期内に複数の大口融資が完済されたことを受けて前月から0.3%減、前年同月から3.5%減となる2257.0億パタカ(約4兆5398億円)。マカオ居民が占める割合は95.5%。マカオ居民向けの住宅ローン融資残高は前月から0.3%減、非居民向けについては0.5%減。

 商業物件向けローン融資残高は前月から0.2%減、前年同月から3.5%減となる1558.5億パタカ(約3兆1348億円)。マカオ居民が占める割合は93.5%。商業物件ローン融資残高は前月からマカオ居民向けが0.1%減、非居民向けが1.2%減。

 今年5月末締めの住宅ローン延滞率は3.7%で、前月から0.1ポイント、前年同月から2.9ポイントのそれぞれ上昇。商業物件向けローン延滞率は4.7%で、前月から1.3ポイント、前年同月から1.2ポイントのそれぞれ上昇。

 マカオでは昨年1月初旬のウィズコロナ転換を機にインバウンド市場の回復が進み、経済波及効果が期待されているが、不動産市場については相次ぐ利上げといった懸念材料も存在。このところ取引件数、平均平米単価とも振るわない状況が続いている。今年の年初からは不動産価格抑制策の一部緩和もスタートしたものの、目立ったかたちでのポジティブな影響は見受けられず、4月に入って以降、政府が不動産価格加熱抑制策を全面撤廃する方針を明らかにし(4月20日施行)、以降の動向が注目される。