エチオピア、身代金目当ての誘拐が先週100人=米大使

AI要約

エチオピアではティグレ州の紛争が収束した後も身代金目的での誘拐事件が続発しており、先週だけでも少なくとも100人が被害に遭っている。

政府はティグレ州以外の地域でも治安維持に苦戦しており、過去1年間でエチオピア全土で1300人以上が殺害された暴力事件のほとんどはアムハラ州とオロミア州で発生した。

最近の誘拐事件は紛争の長期化が犯罪を助長し、法の支配を弱体化させていることを示しており、国連はOLAによる犯罪行為を非難している。

[アディスアベバ 8日 ロイター] - エチオピアでは北部ティグレ州の紛争が収束した後も散発的な戦闘が発生している周辺地域で、先週も学生など少なくとも100人が身代金目的で誘拐された。米国のアービン・マシンガ駐エチオピア大使が8日、Xへの投稿で明らかにした。

ティグレ州では2022年11月に紛争当事者間の停戦協定が締結されたが、政府は別の地域の治安維持に苦戦を強いられている。

国連によると、エチオピア全土で昨年1300人余りが殺害されたが、その大半をアムハラ州とオロミア州での暴力事件が占めた。

マシンガ氏は「オロミアとアムハラで最近頻発している誘拐事件は、長引く紛争が犯罪を助長し、法の支配を弱体化させている様子を物語る」と述べた。

3日には首都アディスアベバから約120キロ北のオロミア州内で、武装集団に3台のバスが走行を止められ、連れ去られたもようだ。その後脱出に成功した学生の一人は「怖くてショックだった。犯人たちは乗客を棒で殴りつけ、無理矢理外に追い出した」と明かした。

この学生の話では、犯人は反政府組織オロモ解放軍(OLA)の戦闘員を示す同じ髪型をしており、人質の家族に最大100万エチオピアブル(1万7500ドル)の身代金を要求しているという。

国連はOLAについて、殺人や器物損壊、レイプ、拉致などの犯罪を行っていると非難している。