ガザ北部の戦闘再燃、避難繰り返す住民 ほぼ全人口の190万人に

AI要約

パレスチナ自治区ガザ地区でイスラエル軍の攻撃によって避難を強いられた住民が増加し、約190万人に達した。

イスラエル軍がガザ北部で攻勢を強め、ガザ市シュジャイヤ地区などで退避命令を出す中、避難を強いられた人々は90%に達している。

継続的な戦闘により、ガザ地区の住民は大きな困難に直面しており、戦闘はいつ終わるのか疑問視されている。

ガザ北部の戦闘再燃、避難繰り返す住民 ほぼ全人口の190万人に

(CNN) パレスチナ自治区ガザ地区でイスラエル軍の攻撃によって避難を強いられた住民が、ほぼ全人口に近い約190万人に達した。

ガザ北部で再び攻勢を強めるイスラエル軍は、ガザ市シュジャイヤ地区などで、このほど8万人に退避を命じた。イスラエル軍は以前、ガザ北部のイスラム組織ハマスは壊滅したとの見方を示していた。

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)によると、ガザ地区内で避難を強いられた住民は推定190万人に増え、210万人前後とされるガザの全人口の約90%に達した。イスラエル軍が南部のラファに侵攻した5月の時点で避難していた住民は170万人だった。

ハマスの壊滅や人質の解放を目指してイスラエル軍がガザ地区を攻撃し始めてからほぼ9カ月。新たな攻勢が始まったことで、イスラエルがいつ、どのように戦闘を終わらせるのかをめぐって疑問が浮上している。

イスラエル当局者は先に、イスラエル軍がガザ北部を攻撃して破壊した後に南部でハマスが再編されたとの見方を示し、ガザ南端のラファ侵攻が今回の戦闘の最終段階になるだろうと述べていた。しかし北部での戦闘再燃は、ハマスが北部で存続していたことをうかがわせる。

国連人道問題調整事務所(OCHA)は6日、イスラエル軍がガザ市東部に退避命令を出したことを受け、この週だけで8万人が避難を強いられたと発表した。

イスラエル軍は6日、シュジャイヤ地区で過去24時間の間にハマスとの戦闘があり、「地上と地下の武器とテロインフラを破壊した」と発表した。

一方、ガザの民間防衛当局は6日、イスラエル軍の爆撃は「止まることなく」続いていると述べ、「シュジャイヤでは10日間にわたって同じ状況が続いており、我々の隊員が人命救助のため同地に入ることができない」と話している。

絶え間ない戦闘は、民間人に大きな犠牲を出し続けている。住民の多くは既に9~10回も避難を強いられており、南部ハンユニスに避難している男性は、少量のきれいな水を手に入れるのに何時間もかかるとCNNに語った。

「テント生活はとても厳しい。私たちは砂の上で暮らしている。服は汚れ、手は汚れ、体は洗う必要がある。食器も洗う必要がある」。シャティ難民キャンプに身を寄せるザカリア・バクルさんは6日、CNNにそう語った。

UNRWAは5日、中部ヌセイラトの海岸に張られた仮設テントで暮らす住民の映像を投稿。「満ち潮から身を守るために砂の壁を築いている」「家族で安全に移動できる場所はほとんど残っていない」「多くの世帯が洗濯や飲料水までも海水に頼っている」と伝えた。

ハマスが運営する政府系メディアがCNNに語ったところによると、ヌセイラトでは6日、集合住宅の建物が攻撃されてジャーナリスト3人が死亡した。5日以来、ほかにも2人のジャーナリストがガザ地区の別の場所で死亡しているという。

ガザ全域で、病院の業務や支援物資の配送が燃料不足に脅かされている。ガザへの支援物資配送を管理するイスラエルの占領地政府活動調整官組織(COGAT)は5日、トラック1150台分の支援物資がケレムシャローム検問所のガザ側で回収待ちの状態にあることを明らかにした。

ガザ保健省は6日、「病院の発電機、酸素ステーション、医薬品保管用の冷蔵庫を稼働させるために必要な燃料の危機が続いている」と発表した。