イラン「改革派」の新大統領は、「核合意」を復活させられるか?

AI要約

イランの大統領選で改革派のペゼシュキアンが当選し、対外政策改善が期待される一方、最高指導者の存在が影響力を持つ不透明な状況が続く。

投票率が低かった第一回投票から決選投票までの過程を経て、選挙に対する有権者の関心が高まったことが示唆される。

ペゼシュキアンの勝利は改革派と保守穏健派の支持を得たものであり、対立姿勢を示したジャリリに対する不信感が一部の有権者に影響した。

イラン「改革派」の新大統領は、「核合意」を復活させられるか?

イランで7月5日に決選投票がおこなわれた大統領選で、改革派のマスード・ペゼシュキアンが保守強硬派のサイード・ジャリリを破って当選した。

改革派の大統領が誕生することで、欧米諸国との関係改善が期待される一方、イランでは最高指導者ハメネイ師が国政の最終決定権を握っており、対外政策がどのくらい方針転換されるかは不透明だ。

6月28日の第一回投票では、ペゼシュキアンが首位に立ったものの過半数に届かず、決選投票に持ち込まれた。投票率は40%で、1979年のイスラム革命以来最低を記録した。これは、ほとんどの候補者が保守強硬派だったことや、最高指導者の存在がある限り改革は望めないという冷めた空気が有権者に広がっていたためだ。

しかし、決選投票では投票率が約50%まで上昇した。第一回投票をボイコットした多くの人が、国の未来について対照的なビジョンを掲げる2人の候補を前にして、変革を求めるという明確な意思表示をしたことがうかがえる。

米ミズーリ科学技術大学の副学長でイランアナリストのメールザド・ボルジェルディによれば、ペゼシュキアンの「サプライズ勝利」は彼が改革派と保守穏健派の両方から支持を得た証しだという。

ロシアとの関係強化や欧米との対立関係の継続を誓ったジャリリに対し、保守穏健派の有権者は「強烈な嫌悪感」を抱いていたと、ボルジェルディは米紙「ワシントン・ポスト」に語っている。