<チャイナテックの逆襲>韓国製が90%だった折りたたみ有機EL、いまは中国製が53%(1)

AI要約

韓国のディスプレー産業が中国に追われている状況を紹介。

中国のディスプレー技術が急速に発展し、折りたたみ有機EL市場でのシェアを伸ばしている。

中国のディスプレー企業が世界最大のディスプレー学会で注目を集めている。

<チャイナテックの逆襲>韓国製が90%だった折りたたみ有機EL、いまは中国製が53%(1)

手で操作する透明ディスプレー、バーチャルリアリティ(VR)に接続するヘッドセット…。

未来を描いた空想科学映画にはディスプレーがよく登場する。スマートフォン、テレビ、自動車、VR機器などに搭載されるディスプレーは電子市場の最前方を占める核心部品であり、関連素材・製造設備など後方技術競争力を左右する装置産業だ。韓国はLGディスプレーとサムスンディスプレーを中心に2004年から17年間世界1位の座を守りこの市場を主導してきたが、2021年に中国企業に1位を明け渡してから追われる境遇だ。液晶パネル(LCD)市場を掌握した中国はいまや有機ELのような最先端技術でも韓国にぴったり追いついている。

ディスプレー業界によると、5月に米カリフォルニア州サンノゼで開かれた世界最大のディスプレー学会「SID」ではチャイナテックの饗宴が繰り広げられた。中国企業46社がブースを設けて新技術を誇った。中国最大ディスプレー企業のBOEは最高の明るさを自慢するマイクロLED、世界初の110インチ16Kグラスレス3Dディスプレーなど、新製品50種類ほどを展示した。韓国ディスプレー業界のある関係者は、「学会発表演説者がみんな中国人で、中国の機関・企業だった。行事の場所がシリコンバレーなのか北京なのか混乱するほどだった」と話した。

◇韓国が90%だった折りたたみモニター、中国が半分奪う

中国の猛追撃は韓国企業が先取りした有機EL市場でも相次いで現れている。市場調査会社のオムディアによると、折りたたみ式有機EL市場でサムスンディスプレーのシェアは2021年に90%だったが、今年上半期には47%と大幅に落ち込んだ。BOEやチャイナスター(CSOT)など中国企業が53%を占めた。今年1-3月期にはファーウェイやOPPOなど中国製折りたたみスマホに大量納品したBOEのシェアが54.3%まで上昇し、28.9%のサムスンディスプレーと順位が入れ替わった。スマートウォッチ用小型有機EL市場でも上半期に中国メーカーのシェアが合計64%(推定値)で、LGディスプレーとサムスンディスプレーのシェア合算25%を大きく上回る見通しだ。韓国企業が掌握した大型有機EL市場も中国企業はじわじわと手を伸ばしている。100%だった韓国の大型有機EL市場シェアは昨年96%に落ち、中国が初めてこの市場に参入して4%を占めた。