バイデン辞退論、民主党大混乱…オバマ・ジル夫人「交代はできない」(2)

AI要約

パニック状態に陥った民主党内からバイデン不出馬論が広がりつつあり、代替候補らの名前も浮上している。

親民主党メディアもバイデンの退任を求める声が高まっており、トランプは討論大勝の流れを利用して支持者に訴えかけている。

トランプはバイデンよりも政策上の問題に焦点を当て、大統領選挙でバイデンと民主党全体を排除すべきだと主張している。

だが、パニック状態に陥った民主党の一部からは相変らず「交代不可避論」の雰囲気が感知されている。匿名のある民主党連邦下院議員は「バイデン不出馬を説得する動きがある」と政治専門メディア「ポリティコ(Politico)」に話した。バイデン氏に代わる候補の名前も具体的に出てきている。党内外ではカマラ・ハリス副大統領、カリフォルニア州知事のギャビン・ニューサム氏、ミシガン州知事のグレッチェン・ウィットマー氏らが下馬評に上がっている。

親民主党派の主流メディアを中心にバイデン下車論も繰り返し出ている。NYTは「祖国のためにバイデンは大統領選挙予備選から退かなければならない」と題する社説を掲載し、「民主党はトランプを破る有能な候補選出過程を用意しなければならない」と主張した。バイデンと親交が深いNYTコラムニストのトーマス・フリードマン氏も「討論を見守って涙した。バイデンは良い人だが選挙から辞退しなければならない」というコラムを書いた。ウォーターゲート事件の特ダネ報道で良く知られたボブ・ウッドワードWP副編集長は「討論の時のバイデンの姿はとてもひどくて見ていられなかった」とし「バイデンが大統領選挙から退くべきだという要求は避けられない」と話した。

民主党を後援する有力者が、テレビ討論以降、バイデン再選の可能性に深い懸念を示し、慌てて連絡を取り合って代替候補群についての話を交わしたと、AP通信やNYTなどが報じたりもした。候補を交代するには遅すぎるという懐疑論も出ている。一時「バイデン不出馬」を叫んで「民主党にはニューリーダーが多い」と言った民主党戦略家のデヴィッド・アクセルロッド氏は29日、「バイデンが辞退しない限りこの問題は再論の余地がない」と話した。

こうした中、トランプ氏は討論大勝の勢いを継続するために討論翌日の先月28日、バージニア州チェサピークで支持者数千人が出席した大規模遊説集会を行った。トランプ氏は「多くの人々が、バイデンは退かなければならないと言うが、私が思うにそうはならない」としながら「(交代候補群のうち)ニューサム州知事は州知事にも出馬しにくく、ハリス副大統領はそもそも論外の人物であり、バカみたいなバイデンが最も人気がある」と皮肉った。続いて「問題はバイデン個人の衰退ではなく、彼の政策失敗」とし「11月の大統領選挙で有権者はバイデンだけでなく民主党全体も追い出さなければならない」と声を高めた。