キリンの首はなぜ長いのか…その鍵はメスの生存戦略にあった(海外)

AI要約

キリンの首の進化についての議論が変化している。

キリンの首の長さは、メスの方がオスよりもプロポーション的に長いことが最新研究で判明した。

これまでの仮説とは異なる結果であり、進化の理由について再考される可能性がある。

キリンの首はなぜ長いのか…その鍵はメスの生存戦略にあった(海外)

キリンの首は現生動物の中で最も長いが、その理由について生物学者たちの意見はまだ一致していない。

大半の生物学者は、オスが配偶者を奪い合うために長い首へと進化させたと考えてきた。

しかしこの「生殖のための首」説に、最新研究が異議を唱えている。

キリンは、昔から優雅な巨人のような姿をしていたわけではない。古代のキリンは、どちらかというと鹿に似ていた。しかし、過去数千年の間に何かが起こり、現生動物の中で最も長い首の持ち主へと進化させた。その原動力が何であったかは、進化生物学者の間で150年にわたって議論されてきた。

19世紀には、チャールズ・ダーウィン(Charles Darwin)とジャン・バティスト・ラマルク(Jean Baptiste Lamarck)が、木の上の葉っぱを簡単に食べられるようにするために首が伸びたと提唱した。その後、この説は覆され、オスのキリンが長い首を進化させたのは、メスを奪い合うためだと提唱された。この「生殖のための首」という考えは、1990年代後半から有力な説となっていた。しかし、それも変わりそうだ。

Mammalian Biologyに掲載された最新の査読済み論文は、ダーウィンとラマルクが少なくとも部分的には正しかった可能性を証明する新たな手がかりを提供している。

キリンのオスはメスよりも首が長い。そのため、オスがこの身体的特徴の進化を促したのではないかと推測されてきた。

だが、ダグラス・キャブナー(Douglas Cavener)は、それには納得していなかった。今回発表された論文の筆頭著者で、ペンシルベニア州立大学の生物学教授であるキャブナーは、Business Insiderにこう語っている。

「重要なのは、『オスの首は、体の他の部分よりも相対的に長いのか』ということだと気づいた」

そこで、論文の共著者である妻と娘を含む同僚たちと調査を開始した。彼らは、東アフリカのタンザニアとケニア南部を起源とするキリンの1種、マサイキリンの成体の写真から首の長さを推計した。

研究チームは飼育されているキリンと野生のキリンの写真から、首、脚、胴体など体のさまざまな部分のプロポーション(比率)を測定した。その結果、オスの首の方が体全体に占める比率が低いことが明らかになった。

「我々の発見はかなり驚くべきものだった。メスの方がオスよりもプロポーション的に首が長く、これまでの予想とは正反対だった。加えて、メスは胴体も長いことが分かった」とキャブナーは述べている。

「つまり、状況がひっくり返ったということだ」