むしろ益虫なのに…「赤い背中のハエ」の襲撃にソウル各地域で悲鳴

AI要約

ソウル市の各自治区がラブバグに関する苦情に悩まされている。

ラブバグの出没が今年は特に早く、市民の不快感が広がっている。

防疫には限界があり、市は比較的消極的な自主防疫を施行中。

むしろ益虫なのに…「赤い背中のハエ」の襲撃にソウル各地域で悲鳴

【06月25日 KOREA WAVE】ソウル市の各自治区がラブバグ(赤い背中のハエ)に関する苦情に頭を悩ませている。暑くなると本格的に出没し始めるラブバグは、韓国の場合、2018年に初めて目撃された。

通常、6月中旬からその姿を現し始めるが、今年は特に早く訪れた暑さのせいで、今月初めからラブバグの襲撃が始まった。昨年と比べて2週間ほど早く姿を現した。

ラブバグは害虫ではない。むしろ腐った木の葉などに生息し、有機物を分解する益虫に近い。しかし「ラブバグ」という名前のように雌雄一組が尻尾を突き合わせて飛び回り、最近特に多くの個体が出没して市民に不快感を与えている。

ソウル市瑞草区に住むAさんは「換気をしようと玄関のドアを少し開けておいたら、その日の夜、家の中でラブバグ10匹以上を発見した。その後、換気もできず玄関のドアを開閉する時にラブバグが入ってくるか確認するのが日課になった」と打ち明けた。

実際、「ラブバグ」に対する苦情は毎年増加傾向にある。与党「国民の力」ソウル市議のユン・ヨンヒ氏がソウル市から提出された資料によると、ラブバグの苦情は2022年4418件から2023年5600件へと27%ほど増加した。

ラブバグの活動範囲も広がったと見られる。2022年に大部分の「ラブバグ」に関連する苦情が恩平、西大門、麻浦など3自治区に集中したのに対し、2023年には25自治区全域で苦情が寄せられた。

市民の苦情が増える一方で、防疫には限界がある。有機物の分解、花の花粉を媒介するなどの役割をするラブバグをむやみに防疫すれば生態系を乱す可能性があるからだ。ソウル自治区は「住居・商業地域で大発生する成虫を対象に捕虫器と散水などを活用した物理的で環境にやさしい防除を勧告する」という市の指針に従い、比較的消極的といえる自主防疫を施行中だ。

(c)KOREA WAVE/AFPBB News