父親が性犯罪者を捕らえ息子が一撃…韓人テコンドー一家、米国で称賛の嵐

AI要約

米国テキサス州でテコンドー道場を運営する韓人家族が、性的暴行を受けそうになっていた少女を救った。アン一家が加害者を制圧し、被害者を保護する一部始終が明らかになった。

アン館長一家は現場に駆けつけ、男性が女性店員に性的暴行を試みているのを目撃。アン館長が男性を制圧し、息子たちが助けを加えて状況を収めた。

アン一家は英雄ではないと述べ、誰もが同様の状況で助けに行動するべきだと訴えている。一方、加害者は性的暴行の疑いで起訴されている。

父親が性犯罪者を捕らえ息子が一撃…韓人テコンドー一家、米国で称賛の嵐

 米国テキサス州でテコンドー道場を運営する韓人家族が力を合わせて、性的暴行を受けそうになっていた10代の少女を救ったという事実が明らかになり、現地で話題になっている。

 20日(現地時間)付のワシントン・ポストは、ヒューストン郊外で「龍仁テコンドー」を運営するハン・アン館長(59)とその家族が18日午後4時ごろ、道場近くの携帯電話店から聞こえてきた女性の叫び声を聞いてすぐに駆け付け、この女性に性的暴行を加えようとしていたアレックス・ロビンソン容疑者(19)を制圧したと報じた。

 テキサス州ヒューストン一帯の治安を担当するハリス郡のエド・ゴンザレス保安官もこの日、自身のSNSに「善きサマリア人一家が被害者を救うために駆けつけた」と投稿し、このニュースを伝えた。ゴンザレス保安官は「警察が現場に到着したとき、龍仁テコンドー道場の師範が1人の男を地面に寝かせた状態で制圧していた」として、「彼らが被害女性を加害者から引き離すと加害者が攻撃を始めたが、師範は普段から訓練していた技術を活用して加害者を制圧し、捕まえることができたことが調査によりわかった」と述べた。さらに、「被害者を保護するために迅速な措置に出た龍仁テコンドー道場に感謝する」と感謝の意を示した。

 ゴンザレス保安官の投稿には「ブラボー!家族に感謝する。私たちも同じように正しいことができるようになりたい」「すごい英雄だ」「本当にかっこよくやり遂げた。テコンドー最高」などのコメントが相次いで書き込まれた。

 ワシントン・ポストの報道とゴンザレス保安官の説明を総合すると、アン館長一家は叫び声を聞きつけてすぐに道場近くの携帯電話店に駆けつけた。彼らはそこで若い男が17歳の女性店員の上に乗り片手で口をふさいで犯行を試みている場面を目撃した。アン館長は男性を制圧しようとして男性のシャツをつかんだが、男性は何とかシャツを脱ぎ捨て逃げ出した。これに対してアン館長は、男性のズボンを片腕でつかみ、もう片方の腕で男性の攻撃を防ぎ、男性を身動きできないようにして制圧した。

 この過程で男はアン館長の腕と首をかんだ。このとき、アン館長の長男のサイモン・アンさん(20)が父親を助けようとして、男性のあごを足でけり拳で殴った。次男のクリスティアン・アンさん(18)は店の出入り口を閉じて家具でふさぎ、男性が逃げられないようにした。アン館長の妻のホン・アンさん(55)と娘のハンナ・アンさん(22)はおびえた被害者を店から連れだし、テコンドー道場に安全に避難させた。

 韓国で龍仁大学を卒業したアン館長は、ヒューストン郊外でテコンドー道場を運営して17年目になる。龍仁テコンドーのウェブサイトによると、テコンドー8段・合気道6段のアン館長は、キックボクシングや海東剣道など様々な武術を習得した。2人の息子と妻、娘もテコンドー4段だ。

 サイモン・アンさんは「たしかに私はテコンドーの技術で攻撃を防いだが、一般の人たちも同じ状況であれば、被害者を助けるために介入できることを知ってほしい。助けが必要な人がいるのをみたら、すぐに助けてほしい」とワシントン・ポストに語った。アンさん一家は龍仁テコンドーの公式SNSにも投稿し、「私たちは英雄ではない。その状況であれば、誰であっても駆けつけて助けるために行動しただろう」と明言した。

 一方、アンさん一家に制圧されて警察に引き渡されたアレックス・ロビンソン容疑者は、被害女性を違法に監禁して性的暴行を試みた疑いと師範を暴行した疑いで起訴された状態だ。

チョン・ボンジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )