ハマス打倒「代替組織なければ不可能」 イスラエル軍、戦後統治巡り政権と亀裂

AI要約

イスラエル軍がハマスについて壊滅は難しいとの認識を示し、代替統治主体の必要性を指摘。

軍の発言がネタニヤフ政権への不満や亀裂の可能性を示唆する中、軍幹部が公の場で首相を批判。

ハガリ報道官はハマスの駆逐が時間を要すると述べ、政治指導者の決断が必要との見解を示した。

 【カイロ時事】イスラエル軍のハガリ報道官は19日、イスラム組織ハマスについて「壊滅が可能との考え方は、人々に真実を見えなくさせる。別の何かを持ってこない限り、ハマスは出現する」と述べ、代わりとなる統治主体をパレスチナ自治区ガザに設置しない限り打倒することはできないとの認識を示した。

 地元テレビとのインタビュー内容を米紙ニューヨーク・タイムズが伝えた。

 この発言について、同紙は「ガザの戦後計画を策定できていないネタニヤフ政権に対する軍の不満を示している」と分析。軍幹部が公の場でネタニヤフ首相を批判したと受け取れるとし、戦闘が長期化する中、両者の間に亀裂が生じている可能性を伝えた。

 ハガリ氏はインタビューで、ハマスが政治運動であると同時に「人々の心に根付いている思想」でもあり、駆逐するには時間を要すると指摘。「政治指導者は決断を下さなければならない。イスラエル軍はそれを実行する」と付け加えた。

 ハガリ氏の発言を受け、首相府は19日、「ハマスの軍事・統治能力の破壊が戦争目的の一つであり、軍もこれに尽力している」と強調。軍との確執を打ち消した。