イスラエルとパレスチナの若者、8月に日本で対話…国内の学生団体が主催「未来の平和への第一歩に」

AI要約

イスラエルとパレスチナの若者を日本に招き、両者の対話と交流を目指す学生団体が活動を続けている。

2003年に設立された学生会議は、毎年イスラエル人とパレスチナ人の若者を招待し、対話の機会を提供している。

今年の会議では、福岡と東京で様々なプログラムを通じて、平和学習や文化交流を行う予定だ。

 パレスチナ自治区ガザでイスラエルによる激しい攻撃が続く中、日本の学生団体「日本・イスラエル・パレスチナ学生会議」=代表・国際基督教大2年、武智志保さん(20)=が8月、イスラエルとパレスチナの若者8人を日本に2週間招き、中東の現地では難しい両者の対話と交流を行う20回目の合同会議を開催する。主催する日本の学生たちは「若い世代が今回の紛争に対する考えや自身の体験を語り、意見交換する機会を設けることが、この地域の未来の平和への一歩になるのではないか」と期待している。(デジタル編集部・長谷部耕二)

 6月16日夜、同会議のメンバーが東京都内でリモート会議を開いた。「パレスチナの人たちの航空券の手配はこんな感じです」「ホームページの内容を充実させたい」「クラウドファンディングの進展状況はどうですか?」。2か月後に迫ったイベントに向け、準備することは多い。

 国際渉外担当の東京大教育学部4年の多賀陽平さん(22)は「以前の会議では、参加者が感情的になったり、けんかになったりするトラブルが起きるなど、予定通りいかないこともあったが、ともかく現地の人の話が聞ける貴重な機会なので、運営に気を配り、会議を価値あるものにしたい」と前向きだ。

 同会議は2003年、「日本とイスラエルとパレスチナの学生間の交流と対話の機会創出」を目的に設立された。イスラエル人とパレスチナ人の間では、長引く紛争やイスラエルによる分離壁の建設、行動制限などで、直接交流を持つ機会が非常に少ない。それが原因で、相互の偏見が生まれ、紛争解決が困難となっているとの考えから、双方の若者を日本に招待し、対話の機会を提供するという活動をほぼ毎年続けている。現在のメンバーはパリ政治学院、一橋大大学院、早稲田大、同志社大などの12人だ。

 今年の会議は8月17日から31日まで、ユダヤ系イスラエル人は学生3人と社会人1人、パレスチナ人(ヨルダン川西岸地区と東エルサレムの出身)は学生2人と社会人2人が来日する。前半は福岡の西南学院大で、同会議のメンバーも加わってディスカッションをするほか、長崎原爆資料館の訪問や被爆者の講演を聞く平和学習を予定。後半は、東京で国際基督教大の学生との交流会や日本文化に触れる体験、観光などを計画している。