【英国】ロンドン証取、パリ追い抜く 再び欧州最大に=仏政局混乱受け

AI要約

ロンドン証券取引所(LSE)に上場する企業の時価総額が再びユーロネクスト・パリを上回って3兆1,800億ドルとなった。

フランスの総選挙や極右政党の勢いにより、フランス国内の株価が下落しており、金融市場では不透明感が高まっている。

英国の総選挙を控え、労働党の財務規律を重視する方針と対照的に、フランスでは極右政党の財政政策への懸念が広がっている。

 ロンドン証券取引所(LSE)に上場する企業の時価総額は17日に合わせて3兆1,800億ドルとなり、欧州最大の株式市場ユーロネクスト・パリの3兆1,300億ドルを再び上回った。ユーロネクスト・パリは2022年11月にLSEを追い抜いていた。ブルームバーグのデータを元に、BBC電子版などが伝えた。

 背景には、フランスの総選挙を巡って先行き不透明感が高まり、同国で株価が全面安となっていることがあるとみられる。支持率で首位に立つ極右政党・国民連合(RN)の勝利が現実味を帯びる中、16日には各地で極右に対する抗議デモが行われ、全国で約35万人が参加した。政局の混迷を受け、金融市場ではフランス国債の利回りが急上昇している。

 RNの公約には財源の裏打ちがない支出が多く含まれ、同党が政権に就いた場合、財政収支が悪化する可能性がある。一方、英国でも7月4日に総選挙が行われるが、支持率トップの労働党は、厳しい財務規律を守り経済成長を最優先する方針を明確に打ち出している。

 LSEは上場企業の時価総額は、16年の時点ではユーロネクスト・パリに1兆4,000億ドルの差をつけていた。ただ、英国の欧州連合(EU)離脱でロンドンの競争力が低下し、上場先をパリやフランクフルトに切り替える企業が増えたことや、トラス政権が22年の補正予算案で金融市場の大混乱を招いたことなどで、LSEはユーロネクスト・パリに欧州首位の座を奪われていた。