サッカー仏代表エムバペ選手、若者の極右支持けん制「試合より重要」

AI要約

フランス代表のキリアン・エムバペ選手が極右政党に対して警告を発し、若者に慎重な投票行動を呼びかけた。

エムバペ選手は若者に対し、過激派が権力への扉をノックしていると警告し、今回の選挙の重要性を強調した。

フランスの与党連合が選挙で敗北し、国民連合が躍進する可能性がある中、エムバペ選手の発言が注目を集めている。

サッカー仏代表エムバペ選手、若者の極右支持けん制「試合より重要」

 サッカーのフランス代表で主将を務めるキリアン・エムバペ選手が、6月30日と7月7日に投票があるフランス国民議会(下院)選挙について、党勢を拡大している極右政党を念頭に「人々を分断させる考えには反対だ」と語り、若者世代に慎重な投票行動を呼びかけた。英国の公共放送BBCなどが報じた。スーパースター選手の踏み込んだ発言が関心を呼んでいる。

 エムバペ選手は、ドイツで開幕したサッカーの欧州選手権に出場する。初戦を控えた16日の記者会見で自分と同世代の若者に対し、「過激派が権力への扉をノックしている。そして我々には、国の未来の形を決めるチャンスがある。試合以上に重要な状況だ」と語った。

 政党名は名指ししなかったが、フランスの極右政党「国民連合」が若い世代の間で支持を集めていることをけん制する発言であることは明らかだった。同党は、下院選候補者の一人がBBCの取材に「代表チームのスポーツ選手が、どこに投票するべきかを誘導するのは適切とは思えない」と語るなどして反発した。

 6~9日の欧州議会選で、フランスの与党連合は国民連合に大敗。マクロン大統領は下院を解散し、総選挙に打って出たが、国民連合が続けて躍進する可能性がささやかれている。【ブリュッセル岡大介】