「極右を阻止しよう」 フランス市民数十万人が街頭デモ…極左派連合は内紛

AI要約

フランスでは早期総選挙を前に極右勢力への対抗デモが行われた。マリーヌ・ルペン率いる国民連合の勝利を阻止しようとする市民が大勢集まり、懸念と憂慮を表明した。

極左派連合が極右勢力との対立で内紛を抱える中、フランス政治は波乱含みの展開となっている。早期総選挙に向け、与党連合と極左派の支持率比較に注目が集まっている。

マクロン大統領の議会解散と早期総選挙決定により、市場も影響を受けている。株価の急落や市場の不安が表面化しており、フランス政治の行方が注目されている。

「極右を阻止しよう」 フランス市民数十万人が街頭デモ…極左派連合は内紛

早期総選挙を半月後に控えたフランスで、極右執権を阻止するための大規模なデモが15日(現地時間)に行われた。極右政治家マリーヌ・ルペン氏が率いる国民連合(RN)が総選挙で圧勝するという見方が優勢な中、極右の勝利を防ごうとする市民が街頭に出てきた。マクロン大統領の議会解散で実施される今回の早期総選挙は30日と来月8日にそれぞれ1次投票と決選投票をする。

ロイター通信、ルモンド、ウォールストリートジャーナル(WSJ)はフランス内務省の発表を引用し、この日、フランス全域で25万4000人がRN反対デモに参加したと報じた。デモはパリ、マルセイユ、ナント、リヨン、リールなどで計150回以上あった。デモを主導した極左性向の労働連盟CGTは参加者を全国64万人、パリ25万人と主張した。

◆「極右政党を阻止」 有権者がデモ

この日、雨が降る中でも学生・勤労者など大勢の市民がデモに参加した。フランス労働組合代表のソフィー・ビネ氏は「参加者は国家の未来に対する心配と憂慮の中で行進している」とし「近づく総選挙で極右が勝利するリスクが高く、私たちはこの災難を防ぎたい」と述べた。

デモに参加したフィリップ・ノウル氏(45、教師)は「極右政権になる実際の危機が目の前にあるが、左派政党がすべて団結すればこの危機は避けることができるはず」とニューヨークタイムズ(NYT)に話した。企業役員というたローラ・ミショ氏(31)は「人種差別的で女性嫌悪的な政党に投票するという人が50%にもなる状況は正常でない」とし「マクロン大統領を支持しないが、極右を防ぐために彼の党に投票する考え」と語った。集会はほとんど平和的に進行されたが、デモ参加者が器物を破損して警察と衝突した地域もあった。

◆2位の極左派連合に内紛

今回のデモは、9日の欧州議会選挙でRNが圧勝した中、マクロン大統領が議会を解散して早期総選挙を行うと発表して触発した。欧州議会選挙で31.37%の圧倒的な支持率を受けたRNは30日(1次投票)と来月7日(決選投票)で行われる早期総選挙でも1位が予想される。一部の世論調査ではRNがフランス下院577議席のうち過半(289議席)に近い270議席を獲得するという結果もあった。半面、マクロン大統領の与党連合(3位、18-20%)は極左派性向の政党の連合である新人民戦線(NPF)よりも支持率が低い。NPFは支持率25-28%で2位だ。

今回のデモを契機に、極右・極左の対立様相だった流れが与党連合中心に変わる可能性があるという見方も出ている。2002年にRNが大統領選挙1次投票で2位となって決選投票に進むと、フランス全国で約150万人がデモをした後、RNの執権が挫折したと、NYTは指摘した。

NPFには内紛が表れている。フィナンシャルタイムズ(FT)によると、NPFは13日、不服従のフランス(LFI)・社会党・緑色党・共産党の左派4党が一つになって発足したが、 ジャン=リュック・メランションLFI代表が党内の穏健派を追い出しながら他の左派指導者の反発を招いた。

メランション代表は過去、自身の立場に反対した政治家らをLFI候補者名簿から除外し、妻に暴行をするなど家庭暴力容疑で起訴されたことがある最側近のアドリアン・クアテネンス氏は名簿に入れた。クアテネンス氏が出馬予定の都市リールのオブリー市長はこれに反発し、ライバル候補を支持すると宣言した。FTは「メランション代表の行動が左派共同戦線を乱している」と診断した。

この日、オランド前大統領はNPF所属で総選挙に出馬すると宣言し、関心を集めた。オランド氏はマクロン大統領の前任者(2012-17年執権)。オランド氏は出馬を宣言しながら「例外的な状況では例外的な決定をするべき」とし「極右派の危険が明らかになった状況に無関心になれない」と発言した。オランド氏が当選する場合、フランスで元大統領が国会議員になった2番目の事例となる。

一方、マクロン大統領の議会解散と早期総選挙決定でパリ株式市場のCAC40指数は先週6%以上も急落し、時差総額1500億ユーロ(約25兆円)が蒸発した。ジェフリーズの欧州担当首席エコノミストは「フランス早期総選挙に対する市場の懸念は改革遅延、等級降格、ユーロ圏解体などさまざまだ」と指摘した。