タイ上院で同性婚を認める法案可決、東南アジアで初…同性カップルにも相続や税控除などの権利

AI要約

タイ上院は同性婚を認める法案を可決し、年内に成立する見通し。東南アジアで初めての同性婚合法化になる。

法案では男女カップルと同等に同性カップルにも相続や税控除などの権利を認め、アジアでは台湾、ネパールに続く合法化となる見通し。

タイ政府はLGBTQを歓迎する国として知られ、法案の合意には与野党の前向きな姿勢があった。

 【バンコク=佐藤友紀】タイ上院は18日、同性婚を認める法案を可決した。下院は3月に可決しており、近くワチラロンコン国王の承認を得て年内にも成立する見通しだ。成立すれば東南アジアで初めて同性婚を認める国になる。

 法案では「男女間」と規定されていた婚姻を「2人の個人間」と定め、男女カップルと同等に同性カップルにも相続や税控除などの権利を認めた。アジアでは台湾とネパールに続く合法化となる見通しだ。

 セター首相は法案可決後、「多様性を持ちながら結束できるタイ社会の力を改めて示すものだ」とX(旧ツイッター)に投稿した。1日にもバンコクで行われた性的少数者(LGBTQ)のパレードに参加し、LGBTQを支援する考えを示していた。

 タイ政府は「アジアで最もLGBTQを歓迎する国」を自任する。LGBTQの外国人観光客の受け入れにも積極的で、ニューハーフの人たちによるショーが人気を呼んでいる。

 タイでは同性婚の合法化を巡って10年以上議論されてきたが、与野党間の政争の具となったり、クーデターが頻発したりして、なかなか法案がまとまらなかった。軍事政権が終わり、昨年9月に発足した連立政権を主導する「タイ貢献党」と最大野党「前進党」はいずれも合法化に前向きで、議論が進んだ。

 LGBTQの支援団体「ナルミット・プライド」の創設者の一人、ワッダオ・アンチュマポーンさん(42)は「同性カップルの子供の権利など引き続き議論を続けるべき点があるが、一歩前進した」と歓迎した。