中国の5月新築住宅価格、68都市で下落 10年ぶりの多さ

AI要約

中国国家統計局が5月の主要経済統計を発表。新築住宅価格指数が下落傾向で、不動産市場が低迷していることが明らかになった。中国政府は地方政府に対策を呼びかけている。

鉱工業生産は前年比5.6%増だったが、市場予想に届かず、不動産不況の影響もあった。新エネルギー車や太陽光電池の生産は高水準を維持している。

個人消費の動向は社会消費品小売総額が改善し、新エネ車や家電の販売は伸びたが、ガソリン車の売り上げは減少した。

中国の5月新築住宅価格、68都市で下落 10年ぶりの多さ

 中国国家統計局は17日、5月の主要経済統計を発表した。新築住宅価格指数は、主要70都市のうち全体の97%にあたる68都市で前月より下落した。下落は4月より4都市増え、約10年ぶりの多さとなった。2024年1~5月の不動産開発投資は前年同期比10・1%減、新築住宅販売面積は20・3%減と低迷し、ともに1~4月より下落幅が拡大した。

 中国政府は5月17日に地方政府による住宅在庫の買い取りなどの対策を発表した。不動産企業の直接支援につながるが、長期化する不況が底打ちするにはまだ時間がかかりそうだ。

 このほか、5月の鉱工業生産は前年同月比5・6%増だった。伸び幅は4月(6・7%増)から縮小し、6%台の市場予想にも届かなかった。不動産不況で鋼材などの生産が伸び悩んだが、電気自動車(EV)などを含む新エネルギー車は33・6%増、太陽光電池は14・8%増と高い水準を維持した。巨額の補助金を受けた「過剰生産」が続き、安価な製品輸出を図っていると米欧は批判を強め、関税引き上げの動きが広がっている。

 一方、個人消費の動向を示す社会消費品小売総額は同3・7%増と4月の2・3%から改善した。中国政府は新エネ車や家電などの買い替え時に補助金を支給するなど消費喚起策を打ち出しており、これらの販売は大きく伸びたが、ガソリン車は落ち込んだ。【北京・小倉祥徳】