脱北者団体のビラ散布に「100倍返し」警告していた北朝鮮、ゴミ風船再開か…ソウルなどに飛来

AI要約

韓国軍は北朝鮮がゴミを風船にくくりつけて飛ばす事件が再開したことを発表した。

北朝鮮は脱北者団体による金正恩政権批判のビラ散布に対抗するためゴミを含む風船を送り続けており、「100倍のゴミを散布する」と警告していた。

韓国政府は北朝鮮の対抗措置に対して拡声機で体制批判の宣伝放送を検討している。

 【ソウル=小池和樹】韓国軍合同参謀本部は8日夜、北朝鮮がゴミをくくりつけた風船とみられるものを韓国に向けて飛ばしたと発表した。聯合ニュースによると、風船は9日、ソウル市や仁川市など各地で見つかっている。

 北朝鮮は5月末から今月初旬にかけ、韓国の脱北者団体による金正恩(キムジョンウン)政権批判のビラ散布への対抗措置として、ゴミや汚物の入った袋をぶら下げた風船を韓国に向けて大量に飛ばした。2日に中断を表明したが、その際には再びビラ散布が行われれば「100倍のゴミを散布する」と警告していた。脱北者団体は6日にビラ散布を行っており、北朝鮮は対抗措置として風船によるゴミの散布を再開したとみられる。

 尹錫悦(ユンソンニョル)政権は北朝鮮に厳しい姿勢で臨む姿勢を鮮明にしており、今回のゴミ散再開に対し、拡声機で北朝鮮の体制批判を行う宣伝放送の実施などに踏み切る可能性もある。