ドイツが移民政策で強硬姿勢、凶悪犯罪を起こしたら国外退去措置を強化…ショルツ首相表明

AI要約

ドイツのショルツ首相が、凶悪犯罪を犯した外国出身者の国外退去措置を強化する意向を表明。

欧州議会選で右派勢力が「反移民」を唱え、首相に厳しい姿勢を求める圧力がある状況。

現在、正規の滞在資格がないまま国外退去を猶予されている難民不認定者が約24万人いることが問題視されている。

 【ベルリン=中西賢司】ドイツのショルツ首相は6日の連邦議会演説で、凶悪犯罪を起こした外国出身者の国外退去措置を強化する意向を表明した。

 欧州議会選では右派勢力が「反移民」を唱えており、「移民問題で厳しい姿勢を取るよう首相に圧力がかかっていた」(米紙ポリティコ)との見方が出ている。連立与党内には「基本的人権の侵害につながる」との異論もある。

 西部マンハイムで5月末、アフガニスタン出身の男(25)が集会を刃物で襲い、5人が負傷、警官1人が死亡する事件を受けたものだ。男は2014年に難民申請を却下されたが、個別事情が考慮されて国外退去を「猶予」されていた。正規の滞在資格がないまま退去を猶予されてドイツに在留する難民不認定者は約24万人。16年にはチュニジア出身者がベルリンのクリスマス市にトラックで突っ込み60人超を死傷させるテロを起こした。

 ショルツ氏は「ドイツで保護を受けている人物による凶悪事件に憤慨する。凶悪犯罪者はシリアやアフガニスタンであっても送還されるべきだ」と訴えた。祖国で迫害される恐れなどから強制送還の対象としていない国の出身者でも例外としない考えを示したものだ。