南ア大統領、連立政権の早期樹立目指すと表明 過半数割れで

AI要約

南アフリカの与党ANCが過半数割れし、連立政権樹立を目指すことを表明

ANCは他の政党と連携し、国家の統一や発展を図る意向を示す

連立相手としてEFFやDAが挙がるものの、経済リスクや支持者の考え方が課題となる

南ア大統領、連立政権の早期樹立目指すと表明 過半数割れで

Kopano Gumbi Nellie Peyton

[ヨハネスブルグ 6日 ロイター] - 5月の南アフリカ総選挙(下院、定数400)で与党アフリカ民族会議(ANC)が過半数割れとなったことを受けて、ANC党首のラマポーザ大統領は6日の記者会見で、連立政権の早期樹立を目指すと表明した。

ラマポーザ氏はヨハネスブルクで開かれたANCの全国執行委員会(NEC)後の記者会見で、ANCは他の政治勢力と幅広く連携することが「わが国を前進させるための最善の選択肢」になると判断したと説明した。

「わが国の共通の将来を築き上げるために政党が集結すべきだ」と指摘。「国家の統一、平和、安定性、包括的な経済成長、反人種差別、反性差別を守るため、われわれは迅速に行動しなければならない」と訴えた。

総選挙ではANCが159議席にとどまった一方、白人主体で親欧米の民主同盟(DA)が87議席、ズマ前大統領の新党である民族の槍(やり)(MK)が58議席、急進左派の経済的解放の闘士(EFF)が39議席をそれぞれ獲得した。

ラマポーザ氏は「どの政党との連立も、それが公共の利益にかなう限り、可能性を排除しない」と強調。ANCは既にEFFやDAなどと建設的な話し合いを行っていると明らかにした。

MKは6日の声明で、ANCと接触していることや近く会談することを認めた。ただMKは総選挙後に「ラマポーザ氏のANC」とは連立を組まないとしている。

一方でDAは5日、MKやEFFを含む連立政権に加わる意向はないと表明した。DAが連立政権に加われば金融市場からは歓迎されそうだが、ANCの多くの支持者は白人富裕層が主体のDAを好ましいとは考えていない。

鉱山の国有化や土地の没収などを支持しているMKやEFFとの連立は、ANC支持基盤の一部からは歓迎されそうだが、経済を悪化させるリスクがある、とアナリストらは話している。