次世代原発の燃料で核兵器 米科学者、不拡散脅かすと警鐘

AI要約

マサチューセッツ工科大の科学者らは、高純度低濃縮ウラン(HALEU)が核兵器製造に直接使える可能性があると警鐘を鳴らした。

HALEUは原発用の燃料として注目されているが、濃縮度を上げれば核兵器を製造できる可能性がある。

国際的な核不拡散体制に影響を与えかねないとの懸念が示されている。

 【ワシントン共同】米マサチューセッツ工科大のスコット・ケンプ准教授ら科学者5人は6日、次世代型原発の燃料として注目が高まっている高純度低濃縮ウラン(HALEU)について、さらに濃縮せずに核兵器製造に直接使えるとし、国際的な核不拡散体制を脅かしかねないと警鐘を鳴らす論文を科学誌サイエンスに発表した。

 天然ウランに0.7%程度しか含まれないウラン235を遠心分離機などで3%以上に濃縮すれば、原発用の核燃料になる。HALEUは濃縮度10~20%。米国が1945年に広島に投下した原爆と同様の威力を持つ核兵器は、濃縮度19.75%のHALEU1トン以下で製造できるという。