ロシア近隣のNATO加盟国、国境防衛を強化…ポーランドは7段階の防御線で対抗(海外)

AI要約

ポーランドは、ロシアおよびベラルーシとの国境沿いの新たな防衛計画を発表した。NATO加盟国としての役割を果たしており、ロシアの可能性に備えて強化を図っている。

防衛計画図にはフェンス、有刺鉄線、対戦車障害物などが含まれており、国境地帯をより防御的に整備することが計画されている。

ポーランドは周辺国との協力を通じて防衛を強化しており、ロシアの可能性に対して警戒している。NATO加盟国としての責務を果たすために、国防費を積極的に投資している。

ロシア近隣のNATO加盟国、国境防衛を強化…ポーランドは7段階の防御線で対抗(海外)

ポーランドは、ロシアおよびベラルーシとの国境沿いの新たな防衛計画を発表した。

ポーランドや他のヨーロッパのNATO加盟国は、ロシアが攻撃を仕掛けてくる可能性があると警告している。

ポーランドが公開した国境防衛計画図にはフェンス、有刺鉄線、対戦車障害物、植物の層などが見られる。

NATO(北大西洋条約機構)加盟国であるポーランドは、ロシアからの攻撃を防御するための国境に関する新たな計画を発表した。

ポーランド国防省は2024年5月27日、ロシアおよびベラルーシとの東部国境を強化するための作戦「東の盾」計画を発表した。この取り組みは1945年に第二次世界大戦が終結して以来、NATOの東端における最大規模の防衛活動となるだろうと同省は述べた。

政策文書の一部として公開された図には、計画されている「国境地帯」の一部が示されているが、以下の通り、少なくとも7段階の防御の層が見られる。

恒久的なフェンス

有刺鉄線

対戦車用の溝

対戦車障害物

地雷

もう一つの溝

植物

同省はまた、警戒・追跡システムや、対無人機システムの増強、および前線作戦基地の準備計画も明らかにした。

ポーランド軍参謀総長のヴィエスワフ・ククワ(Wieslaw Kukula)将軍は、「このプロジェクトはポーランドの抵抗力を強化し、敵軍の機動力を制限し、ポーランドの兵士と民間人を保護する」と述べた。

ポーランドはロシアの飛び地、カリーニングラードと国境を接している。また、ベラルーシとも国境を接している。ベラルーシはロシアの傀儡国家とされ、ロシアの侵攻を支持してきた独裁国家である。

さらに南はロシアが2022年から本格的な侵攻を開始しているウクライナと国境を接する。

この計画では、すべての国境地帯が最大限に強化されるわけではないとしているが、詳細は明らかにされていない。ポーランドはロシアと約140マイル(約225km)、ベラルーシと約250マイル(約402km)、国境を接している。

この「東の楯」計画では、合計435マイル(約724km)の国境をカバーするという。

ポーランドの副首相と国防大臣を兼任するヴワディスワフ・コシニャク-カミシュ( Władysław Kosiniak-Kamysz )は、「防衛に関する工事は2024年中に始まり、2028年までに完了する」と述べた。

ヴワディスワフ・コシニャク-カミシュは、その費用を25億6000万ドル(約4028億円)としている。

このプロジェクトは近隣のバルト3国、エストニア、リトアニア、ラトビアと協力して行われている。この4カ国はいずれもかつてソ連に支配されており、ロシアが再び攻撃してくる可能性について声高に主張してきた。

ポーランドとバルト諸国は、ウクライナにとって最も近しい同盟国であり、ほとんどの西側諸国よりも大規模な対応を主張している。

ポーランドはGDPに占める国防費の割合が、アメリカを含む他のNATO加盟国よりも高い。

ポーランドは、ロシアがウクライナとの戦争で敗北しなければ、ヨーロッパの他の地域を攻撃する可能性があると警告するヨーロッパのNATO加盟国のひとつだ。NATOには集団的自衛権があるため、そうなればアメリカはより大規模な戦争に巻き込まれる可能性が高い。

ポーランドの国家安全保障局(National Security Bureau)のトップは、2023年末、ロシアは3年以内、つまり2026年までにNATO諸国を攻撃する可能性があると述べた。