エッフェル塔前に「ウクライナの仏兵」の棺桶 パリ五輪前、不安煽る狙い? ロシア関与か

AI要約

パリ近くで発見された5つの棺桶には「ウクライナのフランス兵」と書かれており、ロシア関与の疑いが持たれている。

拘束された3人の運転手はブルガリア人、ウクライナ人、ドイツ人で、それぞれ移送の依頼を受けていたと主張している。

携帯電話の記録から、1人がホロコースト記念館の落書き事件の容疑者と関わりがあることが判明し、ロシアの関与を疑う捜査が行われている。

パリのエッフェル塔近くで1日、「ウクライナのフランス兵」と書かれた5つの棺桶が置かれているのが見つかった。警察は棺桶を移送した運転手ら3人の容疑者を身柄拘束した。仏メディアは、ロシアが関与した揺さぶり工作の疑いがあるとみて当局が捜査中だと報じた。

仏紙ルモンドなどによると、棺桶はパリ五輪開会式が開かれるセーヌ河岸に並べられていた。それぞれフランス国旗で覆われ、中には石膏(せっこう)が詰められていた。拘束された運転手はブルガリア人で、40ユーロ(約7千円)で移送を頼まれたと主張したという。ほかの2人はウクライナ人とドイツ人で、バスでベルリンに向かう直前だった。2人は400ユーロ(約7万円)の報酬で、棺桶移送を求められたとしている。

警察が携帯電話の記録を調べたところ、3人のうち1人が5月半ばにパリのホロコースト(ユダヤ人虐殺)記念館で起きた落書き事件の容疑者と連絡を取っていたことが分かった。この事件は、記念碑の白壁に赤い塗料で約30の手形が描かれたもので、捜査当局はロシアが犯行に関与したとみて調べている。セジュルネ仏外相は「フランス分断を狙った揺さぶり」を画策する動きがあると警戒を示していた。

マクロン仏大統領は、ロシアの侵略を受けるウクライナに西側が地上部隊を派遣する可能性を「排除すべきでない」と繰り返し発言しており、ロシアは強く反発している。