森から食物を求める:「中国の緑の都」の三明市が「緑」を「金」に変える

AI要約

福建省三明市は、筍製品の生産や美人茶の生産で知られており、日本市場に積極的に輸出している。

三明市は、森林資源を活かした林下経済を推進し、産出額が急増している。

大田県では、台湾からの技術を取り入れた美人茶の生産が盛んであり、茶文化も育成されている。

森から食物を求める:「中国の緑の都」の三明市が「緑」を「金」に変える

【CNS】毎月、約600トンの筍製品が50ものコンテナに詰められ、アモイ港から東京、横浜、大阪などの主要港へと輸送され、日本のスーパーマーケットやレストラン、加工工場などへと送られている。

 これらの筍製品は、福建省(Fujian)三明市(Sanming)沙県区(Shaxian)のある企業によって生産されたものだ。同社は水煮、冷凍、真空パックなどの40種類以上の筍加工製品を専門に製造している。現在、この企業の製品は、輸出率が96パーセント以上に達し、日本の筍製品市場の26パーセントのシェアを占めるに至っている。

 三明市は福建省中北部に位置し、森林被覆率は77.12パーセントに達し、「中国の緑の都」と称されている。長年にわたり、同市は森から食物を求め、林下経済産業を推進し、林下栽培、林下養殖、林下製品の収集加工などのグリーン経済の業態を統合的に発展させてきた。

 2023年末までに、三明市の林下栽培経営面積は48万8000ムー(約325.3平方キロ)に達し、その産出額は23億700万元(約500億円)となった。林下養殖経営面積は、49万200ムー(約326.8平方キロ)で、産出額は19億4200万元(約429億円)だ。林下収集加工経営面積は27万7100ムー(約184.7平方キロ)で、産出額は116億900万元(約2520億円)に上った。現在、この市には国家レベルの林下経済モデル基地が五つ、省レベルの林下経済重点県が九つ、省レベルの林下経済重点郷鎮が八つ設けられている。

 沙県小吃(軽食)はその名を遠くまで轟かせている。沙県区林業局の楽代明(Le Daiming)副局長によると、現在同区の林下栽培規模は約3万ムー(約20平方キロ)で、主な作物は沙県小吃の原材料として使用され、産出額は約5億元(約109億円)に達しているとのことだ。

 近年、三明市は全国林業改革発展の総合的な試行地域としての建設をきっかけに、資源の優位性を活かし、「企業+基地+農家」などのモデルを革新的に推進し、林薬、林菌、沙県小吃の調味料やトッピングを重点に林下経済を発展させている。華潤三九(CR Sanjiu)などの大手製薬企業との協力を強化し、複数のモデル基地を形成し、約28万人の農民が経営に参加し、2023年には同市の林下経済の産出額は179億元(約3886億円)に達した。

 大田美人茶は台湾が原産で、1999年に台湾のビジネスマン、彭宝法(Peng Baofa)氏が台湾の東方美人茶の製茶技術を福建省三明市大田県に導入し、同県で台湾資本による初の製茶企業を立ち上げた。

 わずか数年で、大田県は中国本土で最も大きな美人茶の生産基地となった。

 現在、大田県には約9万9500ムー(約66.3平方キロ)の茶園が広がり、1310もの加工工場が稼働し、全産業チェーンの生産価値は40億元(約869億円)に達している。

 三明市は福建省の新興茶葉生産基地としての地位を確立し、ウーロン茶、緑茶、紅茶を主に生産しており、2023年には市全体の茶園面積は36万4600ムー(約243平キロ)、生産量が5万9100トンに達した。地元では、茶文化館やエコ茶園などの施設を育成し、農村産業の振興に力を入れている。(c)CNS/JCM/AFPBB News

※この記事は、CNS(China News Service)のニュースをJCMが日本語訳したものです。CNSは1952年に設立された中華人民共和国の国営通信社です。