カンボジア野党幹部が日本から帰国後に拘束 都内で250人が「釈放を」訴えデモ

AI要約

在日カンボジア人らがカンボジアの政治活動の自由を求めてデモを行い、拘束されている野党幹部の解放を訴えた。

カンボジアでは権力の世襲や野党弾圧が進んでおり、日本はカンボジア人が民主化を働きかける拠点となっている。

デモ参加者はカンボジアの現状を国際社会に伝え、民主化の進展に向けた後押しを求めている。

カンボジア野党幹部が日本から帰国後に拘束 都内で250人が「釈放を」訴えデモ

母国での政治活動の自由を求めている在日カンボジア人らが2日、東京・日比谷公園やJR東京駅前などを練り歩き、拘束されているカンボジア野党幹部の解放に理解を訴えた。同国で政権与党カンボジア人民党が野党弾圧を強める中、デモ活動の自由が保障される日本は米国などと並び、カンボジア人が母国に民主化を働きかける国外の拠点の一つとなっている。

カンボジアでは昨年8月、首相在位が38年に及ぶフン・セン氏から長男のフン・マネット氏に首相が交代し、権力の世襲が進んだ。フン・セン政権下で主要野党は選挙から締め出されたり、解党させられたり、党幹部の拘束が相次いだりしたが、フン・マネット政権下でもその傾向は変わらない。

昨年結成されたカンボジア野党「国民の力」のスン・チャンティー党首は今年5月、日本で支持者と交流し帰国した直後、プノンペンの空港で拘束された。有力野党キャンドルライト党の副党首、タッチ・セター氏は令和4年12月に来日して与野党議員や外務省に選挙の自由の確保の後押しなどを求めた後、カンボジアで当局に拘束され、釈放されていない。

デモに参加した約250人の在日カンボジア人は「カンボジア野党幹部の解放を求めるデモを行っている。カンボジアでは独裁が進み、野党が自由に活動できない」などと訴え、スン・チャンティー、タッチ・セター両氏の釈放に向け、後押しを求めた。

デモは動画配信などを通じてカンボジアの現状を国際社会に伝え、カンボジアの民主化の進展に向けた働きかけを強めてほしい狙いがあるという。

参加者は約50分、プラカードを掲げて練り歩くと、警備に当たった警察官らに頭を下げたり、手を合わせたりして感謝を表した後に解散した。