嘉陽が入門2年目で新十両昇進、高校と大学の後輩・大の里に追いつけ追い越せ

AI要約

西幕下筆頭・嘉陽が夏場所での活躍により新十両昇進を果たした。

嘉陽は春場所後の巡業を経て成長し、師匠や同じ部屋の大の里との稽古が功を奏した。

嘉陽の母親が大学まで行かせてくれたことに感謝し、十両昇進を最高の親孝行と捉えている。

嘉陽が入門2年目で新十両昇進、高校と大学の後輩・大の里に追いつけ追い越せ

 日本相撲協会は29日、名古屋場所(7月14日初日、ドルフィンズアリーナ)の番付編成会議を開き、夏場所で5勝2敗の成績を残した西幕下筆頭・嘉陽(二所ノ関)が新十両昇進を決めた。

 今年の初場所は東幕下筆頭で3勝4敗と悔し涙を流した。「相手がどう来るかなど考え過ぎてしまって、自分のいい動きが出来なかった」と振り返った。転機は春場所後の巡業だった。師匠の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)の指示で同じ部屋の大の里の付け人としてフル参戦。多くの力士と稽古することによって力を付けた。

 「あれが大きかったですね。本来の動きが出てきました。嘉陽は独特の力感を持っている。よく私も胸を出すんですけど、気が付いたら下に入られて押されている。馬力もあってウチの部屋では一番、運動神経のいい力士。このまま伸びていってほしい」と二所ノ関親方も期待を寄せた。

 千葉・市川市立新井小学校3年の時に相撲を始め、新潟・糸魚川市の能生中学校に相撲留学。新潟海洋高から日体大を経て角界の門を叩いた。夏場所で所要7場所での初優勝の快挙を成し遂げた西小結・大の里は高校、大学の1年後輩。同じ部屋の東十両6枚目・白熊は高校、大学の同級生だ。

 大の里の優勝は「うれしかったし、自分も頑張らないといけない、負けられない」と思ったという。2歳の時に父親が死去。母・えりかさん(47)は嘉陽と兄・大宗(ともひろ、26)を立派に育て上げた。日本相撲協会に登録している出身地は両親の故郷・沖縄。「大学まで行かしてくれて本当に感謝してます」。十両昇進は最高の親孝行になった。