【川崎フロンターレが柏戦で見せた“まばゆい輝き”と依然として消えない影(2)】シュート数で「1対10」と圧倒された後半が物語るもの。「ビルドアップの質と、味方の配置に問題があった」

AI要約

柏レイソルは後半の圧倒的なシュート数で川崎フロンターレを追い詰めるも、1-1の引き分けに終わった。

遠野大弥や脇坂泰斗がビルドアップのボールの質やプレスの不足を挙げ、チーム全体での改善を課題に挙げた。

チョン・ソンリョンが4度のビッグセーブで失点を防ぎ、個々のプレイヤーたちは課題を共有しながら次節に向けて準備する。

【川崎フロンターレが柏戦で見せた“まばゆい輝き”と依然として消えない影(2)】シュート数で「1対10」と圧倒された後半が物語るもの。「ビルドアップの質と、味方の配置に問題があった」

 1点をリードされて迎えたハーフタイムに、柏レイソルの井原正巳監督は選手を交代させなかった。それでも敵地Uvanceとどろきスタジアムで後半に見せたのは、シュート数で10対1とホームの川崎フロンターレを圧倒するサッカーだった。

 そのなかのひとつ、59分の直接FKからゴール前で生まれた混戦で、柏のFW木下康介に押し込まれて同点とされた川崎は、そのまま1-1で引き分けた。

「後半はなぜあのようになったのかを、チーム全体で突き詰めないといけない」

 失点直前のプレーでMF白井永地を倒しイエローカードをもらい、自陣で直接FKを与えていたMF遠野大弥は個人的に考えていた理由をこう明かした。

「自信を持ってパスを出して動く、といった部分が単純に足りなかったのと、2点目を取りに行く姿勢がまったく足りなかったのが要因だと思っています」

 腰痛で戦列を離れた間に先発を上福元直人に譲った守護神チョン・ソンリョンが、7試合ぶりに復帰した一戦の後半だけで4度もビッグセーブを連発した。

「ビルドアップのボールを奪われて、すぐに決定機を作られたシーンもあった。それをソンリョンさんが止めてくれていたから、失点はしていないんですけど」

 最少失点にとどまった展開をMF脇坂泰斗もこう振り返った。キャプテンの「ビルドアップのボールを奪われて」と、遠野の「自信を持ってパスを出して動く、といった部分が単純に足りなかった」はほぼ一致していると言っていい。

 後手に回り続けるからファウルもかさむ。遠野の直前にはDF大南拓磨もイエローカードをもらった。88分にイエローカードをもらったDF佐々木旭は、6月2日の名古屋グランパスとの次節が累積警告で出場停止になった。脇坂が続ける。

「後ろからのビルドアップの質と、味方の配置に問題があったと思う。1人で対応している場面で別の選手がプレスバックする、といった動きまだまだ足りない。後半のように相手に前向きでプレスさせないためには、もっと相手陣内でプレーした方がいいと考えていますけど、それを味方にうまく伝えるというか、伝えてはいますけど、それを実行するにはどうしたらいいか、を考え続けていかないといけない」