馬場咲希らが参戦の米女子下部ツアーはそんなに過酷? "ある選手"のツアーコーチがお金の苦労やコース環境などを現地レポート
米女子下部ツアーの実態について、ツアープロコーチの奥嶋氏がキャディとして参加。
選手の費用面での苦労や厳しさ、競技レベルの高さについて語られる。
選手たちが目指すLPGAとの差額や、選手たちの旅が続く様子が描かれる。
ツアープロコーチの奥嶋誠昭氏がエプソンツアーでキャディを務めた。現地で見た米女子下部ツアーの実態とは?
奥嶋氏が教える選手から同行を頼まれ、5月2~4日に開催されたカジノデルソルゴルフクラシックに参戦。選手名は「その子が目立つと可哀想なので」(奥嶋氏=以下同)と明らかにしなかった。
会場のセワイロGCの印象については、「コースはメンテナンスが行き届いていて良かったです。私が行った週は(エプソンツアーのなかでも)特に良かったようです」。ただ、広いアメリカならではの苦労もある。
「コースによって地面の硬さは違いますし、標高もまちまちで、週によって飛距離が全然違うようです。芝の種類も変わりますし、対応するのはなかなか難しそうですね」
今シーズンから参戦する馬場咲希も6試合に出場して最高順位が14位タイ(5月12日現在)と結果を残せずにいるが、ある意味それも当然なのかもしれない。費用面での厳しさも目の当たりにした。
「選手はみんなお金があるわけじゃないので、ルームシェア、それもAirbnb(エアビーアンドビー)を使って一般家庭に泊まったり。ご飯も高いので外食もあまりしません。転戦するのもレンタカーで何人かでの移動。下部ツアーだと(選手をサポートする)スポンサーもなかなかつかないので、お金の苦労はかなりあると思います。そのあたりは過酷だなと思いました」
また、出場選手のレベルの高さにも驚いたという。
「日本のステップ・アップ・ツアーと同じくらいかと思っていましたが、全然違いました。LPGAに行くには、基本的にエプソンツアーかQTしかないので、世界のツアーで活躍している選手がLPGAへの道を目指してやって来ます。さらにLPGAから下りてきた選手もいっぱいいますから」
賞金規模は20試合で500万ドルと、35試合で1億1800ドルのLPGAとは桁が違うが、選手たちが目標にするのはトップカテゴリ。
わずかな枠を懸けた選手たちの旅は続く。
※週刊ゴルフダイジェスト2024年6月4日号「バック9」より