100mの川上秀太がアジア新、初の国際大会で「「銀」とパリ切符…神戸世界パラ陸上

AI要約

男子100メートル(視覚障害T13)の川上秀太はアジア新記録で銀メダルを獲得し、パリ・パラ代表入りを果たした。

女子円盤投げの鬼谷慶子もアジア新記録を樹立し、パリ・パラ代表入りが確実となった。

他にも石山大輝、中西麻耶、佐々木真菜らが好成績を収め、パラリンピック代表入りに期待が高まっている。

 パリ・パラリンピック代表選考会を兼ねたパラ陸上の世界選手権は20日、神戸ユニバー記念競技場で第4日が行われ、男子100メートル(視覚障害T13)の川上秀太(アスピカ)が10秒70のアジア新記録で銀メダルを獲得し、パリ・パラ代表に内定した。女子円盤投げ(座位F53)で14メートル49のアジア新を樹立した鬼谷慶子(関東パラ陸協)も2位でパリ・パラ代表入りが確実となった。男子走り幅跳び(視覚障害T12)の石山大輝(順大院)は7メートル08の日本新をマークして2位。女子走り幅跳び(義足T64)で中西麻耶(鶴学園ク)が3位に入り、4大会連続の表彰台。非パラリンピック種目の女子200メートル(視覚障害T13)で佐々木真菜(東邦銀行)が3位だった。

 アジア新記録をたたき出した男子100メートルの川上はレース後、優勝した選手らと肩を組み、「世界で戦える選手の一人にようやくなれた」と実感した。初の国際大会で堂々の2位。「素直に自信につながる」と充実した表情を浮かべた。

 最初の4歩で加速し、流れに乗った。先行されても焦りを抑え、フィニッシュ手前で1人を抜き去って銀メダル。自身のアジア記録を0秒10更新し、夏のパリ・パラ切符を確実にした。

 中学で陸上を始め、福井工大卒業後に本格的にパラへ転向したが、「変わらないようなタイムで走れる選手もいると伝えたい」と健常者の大会に出続けている。世界の表彰台に立っても「1番じゃないっていうのはかなり悔しいので、パリまでに課題と向き合いたい」と慢心はない。見据えるのはパリでの頂点だ。(藤井竜太郎)