マクラーレンF1、疑惑の“ミニDRS”に太鼓判。ノリス「できる全てをやりきったチームを誇りに思う」

AI要約

マクラーレンのランド・ノリスは、チームがミニDRSと呼ばれるリヤウイングの新技術を導入し、その努力に満足していることを語った。

ノリスはフレキシブルウイングに関するFIAの検討を受けつつも、マクラーレンの技術部門が合法的な範囲内で新たな領域を模索している姿勢を称賛している。

アゼルバイジャンGPでの勝利を受け、ピアストリもチームの努力と新技術の重要性を強調し、チームの成長に期待を寄せている。

マクラーレンF1、疑惑の“ミニDRS”に太鼓判。ノリス「できる全てをやりきったチームを誇りに思う」

 マクラーレンのランド・ノリスは、チームが勝利を収めたF1アゼルバイジャンGPで疑惑が向けられるリヤウイングの“ミニDRS”について「とてもハッピー」で、チームの努力を「誇りに思う」と語った。

 アゼルバイジャンGPの舞台であるバクー市街地サーキットのロングストレートでは、マクラーレンMCL38のリヤウイングのフラップの形状が変化している様子が映像で映し出された。負荷に応じてフラップは後方に歪んでおり、空気抵抗が軽減することによって、直線スピード向上に寄与している可能性があることから、ミニDRSと呼ばれるようになった。

 マクラーレンのリヤウイングはFIAの静的テストをクリアしており、現行レギュレーションに完全に適合している。ただFIAは現在、こうしたフレキシブルウイングに関する追加措置が必要かどうか検討を行なっている。

 F1では毎年、カーボンコンポジットの柔軟性を活かしたフレキシブルウィングの活用が話題に挙げられており、今年もイタリアGP後にフロントウイングのたわみに関して、FIAが全ての設計がレギュレーションに適していると述べたばかりだった。

 アゼルバイジャンGPを終え、マクラーレンのリヤウイングにはライバルチームの注目が集まっているが、ノリスはデザインに「とても満足している」と主張。そしてマクラーレンの技術部門が「とてもいい仕事をしている」とした上で、他チームもそうした技術を取り入れていると示唆した。

「全てはテスト済みで、合法的なモノだ」とノリスは言う。

「僕らにできることをしているだけだ。レギュレーションの範囲内で全てを探求するのがF1だ」

「だから僕は満足しているし、チームがやっていることに満足している。彼らは限界に挑戦しているし、そうしなければならない。トップで限界に挑む人たちと戦い、可能な限りあらゆる領域を探求する必要がある」

「今は自分たちができる全てのことをやり遂げたチームを誇りに思う」

「これまではそれができる状況ではなかったが、今はその立場にいる。僕はとてもハッピーだよ。実際、僕としては見ていてクールなことだと思う」

「多くのレギュレーションがあり、多くのことが実施されている。でもチームは僕らも含め、他の人々が考えつかなかったようなことを探求し、様々なことに目を向ける方法を見つけている」

「僕らがそうであるように、他のチームにもテレビでは見られないようなことをやっているところは沢山ある」

「もしかしたら、レースをリードしたことがなくて、特定のカメラとかで捉えられていないだけかもしれない。僕らだけじゃないよ」

「これは大きなゲームだ。大規模な競争が繰り広げられている。でも僕としてはマクラーレンがやってくれたことにとても満足している」

 またノリスのチームメイトであり前戦アゼルバイジャンGPでF1キャリア2勝目を挙げたオスカー・ピアストリは、マクラーレンのミニDRSは「僕らが競争力を発揮するための、魔法のチケットや魔法の弾丸じゃない」と語った。

 そしてピアストリは、アゼルバイジャンGPでのレースが行なわれるまで、マクラーレンのリヤウイングがそのような動きをすることすら知らなかったと主張した。

 アゼルバイジャンGP決勝では、序盤にフェラーリのシャルル・ルクレールがリードしていたが、ピットストップ後にピアストリがコース上でオーバーテイク。その後ルクレールはDRSを使用しながらもピアストリを抜き返すことができなかった。

「正直なところ、僕がこの現象を知ったのは、みんなと同じ時期。つまり先週だった」

 シンガポールGPを前に行なわれた記者会見でピアストリはそう語った。

「これはグレーゾーンではない。毎週検査されているし、合法だ。リヤウイングに関しては、様々な検査が行なわれている」

「正直なところ、3日前までそんなことがあるなんて知らなかった」

「もちろん、このスポーツではレギュレーションを破ることなく、できる限りのパフォーマンスを見つけなければならない」

「僕らはそうしていて、チャンピオンになれるマシン、チャンピオンになれるチームになるために必要なことだ」