退任する中日・立浪監督、トップダウン指導の”弊害”徐々に…相手と戦う前に監督が納得する打ち方かどうかが優先されるように【記者の目】

AI要約

中日・立浪和義監督が今季限りでの退任を表明。

立浪監督の3年間での低迷やチーム再建の失敗。

球団の中長期的視点と今後のチーム再建に対する課題。

退任する中日・立浪監督、トップダウン指導の”弊害”徐々に…相手と戦う前に監督が納得する打ち方かどうかが優先されるように【記者の目】

◇18日 中日3―8阪神(バンテリンドームナゴヤ)

 中日・立浪和義監督(55)が、今季限りで退任する意向を表明した。阪神戦に敗れた試合後の会見で「結果が全ての世界。監督が責任を取るのは当然」と話した。2022年に就任し、1、2年目は最下位。今季も得点力不足や先発陣の不調で下位に低迷していた。

【記者の目】

 ミスタードラゴンズの監督生活は3年で終焉を迎えることになった。昨季球団史上初の2年連続最下位に終わり、「待ったなし」で迎えた勝負の年も低迷している。

 監督がやりたいことと、選手ができることの溝が最後まで埋まらなかった。その最たるは就任会見で「打つ方はなんとかします」と宣言した打撃部門だろう。「形」にこだわりトップダウンで指導を続けたが、それを選手が実践できるかどうかは別問題だった。徹底してやり切らせようとしたが、理論が合わない選手にとって悩みは深まる一方だった。徐々に教えを守る/守らないが主題となり、相手投手と戦う前に監督が納得する打ち方かどうかが優先されるようになっていった。それでもチームの成績が改善すればよかったが、そうはいかなかった。

 ほぼ全権を委ね、チーム再建を託したが、実らなかった。球団は中長期的な視点を踏まえチームをどう作っていくのか再考が迫られる。立浪監督の就任は低迷期を救う切り札としての期待が大きかっただけに、球団にとってもダメージは大きい。(ドラゴンズ担当キャップ・土屋善文)