広島・矢野雅哉 “2年ぶり”からの“メモリアル”/下位打線で光る

AI要約

矢野雅哉が速度を緩めることなく、ヘッドスライディングで一気に本塁生還し、11年ぶりの球団8888号のメモリアル本塁打を放つ。

前夜にも右翼ポール直撃のプロ3号を放ち、直球に強さを見せる矢野。2試合で2戦連続本塁打を記録し、打撃面での成長を見せる。

敗戦に繋がるミスを犯した直前の試合で悔しさを晴らし、遊撃レギュラーとしての活躍が評価されている矢野。

広島・矢野雅哉 “2年ぶり”からの“メモリアル”/下位打線で光る

 速度を緩めることなく一気に、ヘッドスライディングで本塁生還した。9月1日のヤクルト戦(マツダ広島)の6回、矢野雅哉はリードを5点に広げるランニング本塁打を放った。球団では2013年8月2日のヤクルト戦(神宮)での丸佳浩(現巨人)以来11年ぶりで、球団8888号のメモリアル本塁打。人生初という珍しい本塁打に「本当に、まさかです。結構しんどかった」と、自身でも驚いた。

 前夜には22年8月27日以来となる右翼ポール直撃のプロ3号を放っていた。ともに直球をガツン。「もともと真っすぐに弱いというのがあった。どこかで1球は投げてくるなという思いで、その1球を仕留めるつもりで(打席に)入っています」。七番に座った2試合で、課題だった打撃面の成長が詰まった2戦連続本塁打で勝利を呼び込んだ。

 その直前カード、8月27日の中日戦(バンテリン)では敗戦に直結するミスが2つもあった。「優勝争いの中で自分の武器の守備のミスで負けた。今までの野球人生の中で一番悔しかった」。菊池涼介からは「俺も大事な場面でエラーもいっぱいしてきた」と声を掛けられた。“師匠”の言葉にも支えられ、引きずることなくバットで悔しさを晴らした。

 今季、開幕前には遠く及ばないと思われていた遊撃レギュラーを堂々と勝ち取っている。新井貴浩監督は「まだ成長途中ですけど、今年すごく、いい毎日を送っていると思う」と、広範囲の守備と強肩でチームのピンチを救った場面は数え切れない。ムードメーカーでもある発展途上の25歳の、さらなる躍動に注目だ。

写真=BBM