[NBチャンピオンシップU-16]目標は「優勝一択」。連覇狙う飯塚が強度、粘り強さ、走り切る力を発揮して4強入り

AI要約

飯塚高が東海大相模高を1-0で下し、準々決勝で勝利を収めた。

飯塚高は技術力の高い相手に勝利し、16日の準決勝に進出した。

飯塚高は守備力や攻撃力を結集し、勝利へと導いた。

[NBチャンピオンシップU-16]目標は「優勝一択」。連覇狙う飯塚が強度、粘り強さ、走り切る力を発揮して4強入り

[9.15 NBチャンピオンシップU-16準々決勝 飯塚高 1-0 東海大相模高 時之栖うさぎ島G]

「ニューバランスチャンピオンシップ 2024 U-16」は15日午後、準々決勝を行い、連覇を狙う飯塚高(福岡)が1-0で東海大相模高(神奈川)に勝利。飯塚は16日午前の準決勝で東山高(京都)と戦う。

 今大会、飯塚は予選リーグで聖和学園高(宮城)や昌平高(埼玉)と対戦。技術力の高い相手との戦いを経験していた。島田一真コーチは「(聖和学園や昌平相手だと、)1対1をやりに行ったら分が悪い。粘り強く、厳しいファーストディフェンスをして、コンパクトにして、セカンド、サードでしっかり絡めとろうということを学びました」。長短のパスを繰り出すMF藤間舜を軸に技術力の高い選手の多い東海大相模戦は、学んだことを表現。そして、飯塚らしく球際、走り切ることを強調して1-0で勝ち切った。

 飯塚はボールハンターのMF今泉瑛翔や技巧派のMF東也聖が中盤守備で健闘。ベンチから「球際が命やぞ!」という声も飛ぶ中、強度高くボールを奪いに行っていた。右SB河野剛志、CB加藤大和、CB石井颯人、左SB坂田智哉の4バックもサポートやカバーリングの意識が高く、容易には相手をPAに近づけない。

 東海大相模は藤間がDFラインまで落ちてボールを受けると、MF佐藤巧眞やMF長島岳朗とのコンビネーションによる中央突破にチャレンジしたほか、正確なロングキックで局面を変えてきていた。また、右SB田中健太の配球などからFW村上涼やFW小久保葵翔が右ハイサイドを狙った仕掛け。だが、飯塚は連動した守備で対応。前半終了間際には相手FKの流れからピンチになりかけたシーンがあったが、石井が素早く反応してクリアした。

 その飯塚はボールを奪うと、空中戦で抜群の強さを発揮するFW玉置大翔の頭に入れ、これに俊足FW石黒聡が呼応。2人で攻め切るようなシーンを作ったほか、ショートカウンターやMF宮原脩斗とMF貞金大樹のサイドからの仕掛けも交えて先制点を狙った。

 東海大相模も空中戦で奮闘するCB竹之内佑太やCB遠藤雄世を中心に前半は無失点。また、切り替えの速い守備で相手の攻撃の目を摘んでいた。だが、飯塚はMF北川隼を投入して迎えた後半4分、今泉が縦パスを最前線の石黒につける。ボールを受けた石黒が強引にDFの前に潜り込んだところで倒されてPK獲得。このPKを石黒が右足で決め、先制した。

 東海大相模はすぐに反撃に移る。失点直後、藤間の展開から左SB角田陸がDFと入れ替わってラストパス。さらに13分には、右ロングスローのこぼれ球をMF河野馨善が右足で狙った。だが、飯塚は右SB河野が1対1を止め切るなど際の攻防で負けず、「声を常に出しとくってところで、後ろからチーム鼓舞することが役目だと思うんで、苦しい中でも自分の持ち味を発揮できたかなと思います」というGK小田詩文が最後方から安心感を加えていた。

 その飯塚は、雨中で馬力を見せる石黒が敵陣でボールを収めてFKを獲得。そして、宮原のFKから決定的なシュートも打ち込んだが、東海大相模はGK高村洋奈のファインセーブで2点目を許さない。

 東海大相模は18分にMF鈴木琥珀とMF長谷川圭、23分にはFW瀬崎康生とMF山崎優羅をピッチへ送り出す。一方の飯塚は20分にMF北川隼とMF高野真音を同時投入。交代出場の2人でボールを奪い取るシーンがあった。また、終了間際に同時投入したMF三日市証とMF三日市凱が係わって追加点のチャンス。東海大相模はGK高村の飛び出しで阻止したものの、この日3試合目も運動量の落ちない飯塚を上回ることができなかった。

 1-0勝利の飯塚は、GK小田が「自分たちも(攻撃は)思うようにできなかったんですけど、相手にも思うようにさせないってところができたと思うんで、それも勝利に繋がったかなと思います」と胸を張る内容。また、島田コーチは「今年は、4月からのトレーニングでやってきたことがしっかり出ている」と頷く。守備強度や運動量に加え、攻撃時に一つボールを落ち着かせて攻めることなども表現できるようになってきている。

 飯塚は2019年に予選大会から勝ち上がって「ニューバランスチャンピオンシップU-16」初優勝。前回大会で2度目の優勝を果たし、今年も4強入りを成し遂げている。島田コーチは「ここ(ニューバランスチャンピオンシップU-16)でほんとに全国の名だたるところとやっているけれど、ただ来てやっただけの経験と、『やれた』っていう自信は全然違うと思う」と説明。2019年大会の初優勝世代は2年後の2021年にインターハイ初出場を果たし、昨年の優勝メンバーからはMF保科剛(2年)がU-16日本代表入りを勝ち取った。今回も「やれた」という自信を積み重ねる大会にしている。

 GK小田は「1年生からもうこんな大会に出させてもらって、それは今後2年、3年になる時も、いい影響、刺激になると思う」と感謝。そして、今大会の目標については「もちろん優勝一択で、優勝以外目指してない」と言い切った。今大会の4強は、上越高(新潟)、大成高(東京)、東山と飯塚の4校。優勝歴を持つ高校やプレミアリーグ勢が相次いで敗退した混戦のトーナメントをタフな王者・飯塚が再び駆け抜ける。