【阪神】佐藤輝明アンケートで記した難敵から同点14号!「風関係ない」岡田監督も“攻略”評価

AI要約

阪神佐藤輝明内野手が浜風を切り裂いて同点弾を放ち、試合の流れを変える。

前川が勝ち越し弾を放ち、佐藤輝との初アベック弾で逆転劇を演出。

佐藤輝は9月に打率3割4分4厘でリーグVをけん引し、今シーズンも好調なパフォーマンスを見せる。

【阪神】佐藤輝明アンケートで記した難敵から同点14号!「風関係ない」岡田監督も“攻略”評価

<阪神2-1ヤクルト>◇15日◇甲子園

 虎の「9月男」が浜風を切り裂いた。阪神佐藤輝明内野手(25)が、同点弾で流れを変えた。

 1点ビハインドの2回1死。高梨の高めに浮いたフォークを逃さなかった。「入ってくれ!」。祈りは通じた。スタンドの虎党も目で懸命に弾道を追う。それほど打球は速かった。6試合ぶりの14号ソロを弾丸ライナーで右翼席にたたき込み、試合の風向きを変えた。

 「いい角度で入ってくれました。しっかり強い打球を打つという気持ちだった。本当によかったです」

 続く前川が勝ち越し弾。前川の眉毛がカモメのように湾曲していることから、佐藤輝があみ出した「カモメポーズ」で喜び合った。後輩との初アベック弾でお立ち台に並び「浜風の中でもホームランを打てるパワーがある。もっと打ってほしい」とリクエストも忘れなかった。虎の若き左打者2人が右翼席へ連弾。ロマンあふれる逆転劇だ。

 入団時、球団のアンケートで「対戦したい相手は?」の問いに「浜風」と記した。幼少期から何度も甲子園に通った西宮育ちの男。ファンには気持ちの良い風が、左の長距離打者には天敵になることを肌で感じてきた。低弾道の一撃は浜風攻略の1つの「答え」だろう。岡田監督からも「あれぐらいのライナーだったから風も関係ない。早いイニングで追いついたのは大きかった」と評価された。

 昨季は9月に打率3割4分4厘、7本塁打で18年ぶりのリーグVをけん引。今年も9月は月間リーグ最多の11打点で5番の役割を果たす。ヤクルトにはカード別最多の7発目で「ツバメキラー」ぶりも発揮。佐藤輝の季節だ。風は背番号8に吹いている。

 初回はサンタナのゴロをランニングスローでアウトに。3回は西川のセーフティーバントを素早く処理し攻守に全開だった。連戦のラストゲームへ「もちろん勝つつもり」ときっぱり。「ミスター・セプテンバー」が、虎を強烈な上昇気流で押し上げる。【中野椋】