【千葉魂】安田へ「自分信じて」 自信与えた指揮官 千葉ロッテ(第438回)

AI要約

安田尚憲内野手は吉井監督から打撃数値の高さを伝えられ、自信を持って打席に向かうよう指導を受けた。

吉井監督は安田に、結果が出なくても自分を信じて決めた方針を貫くよう助言し、安田は次戦で活躍した。

チームは連勝し、残り16試合でペナントレースを突き進んでいく。秋が近づき、選手たちは力を信じて戦っている。

【千葉魂】安田へ「自分信じて」 自信与えた指揮官 千葉ロッテ(第438回)

 ZOZOマリンスタジアムの監督室に安田尚憲内野手の姿があった。9月8日のイーグルス戦の試合前。吉井理人監督は悩める25歳と向き合っていた。安田は前日7日の同カードで3点ビハインドの九回2死一、二塁の場面。代打で登場したが初球のフォークを打ち、一ゴロに倒れ最後の打者になっていた。以前にも藤原恭大外野手、山口航輝外野手と共に監督室に呼び、積極性について選手から考えを聞き、話し合ったことがあった。今回は指揮官から切り出した。

 「打球速度、ミート力、選球眼など打者にはいろいろな数値がある。それらのいずれのデータを見ても安田は優れている。素晴らしい数字。だからまずはそれを伝えたかった」

 打席に自信をもって向かってほしい。伝えたい思いの一つだった。安田の打撃数値は日本プロ野球の打者の中でもハイレベルに位置していることを数字はハッキリと語っていた。その数字に目を通してもらい、理解を深め自信に変えてもらった。苦言を呈されると思い、警戒しながら部屋に入ってきた若者の表情が少し変化したことを指揮官はその場で読み取った。それを受けて次に伝えたのは打席での心構えだ。

 「どうしても結果が出なかったりしたら、いろいろなことをコロコロと変えるところがあった。そうではなくてその日の打席での狙いや方向性が決まったら、自分を信じて、例え最初は結果が出なくても覚悟を決めて貫いてほしいというような話をした」と吉井監督。

 安田は9月10日のバファローズ戦(京セラドーム大阪)、7番サードでスタメン出場すると、四回に勝ち越しの中前適時打を放ち、八回にも中前打を放った。1打席目は見逃し三振に倒れていたが、その打席の結果を引きずることなく攻めた。ベンチで見守った指揮官は「自分の打てるボールに狙いを定めてしっかりと振れていたように見えた。今日はしっかりと打つボールを見定めていた。期待している選手。いい選手なんでね」とメディア対応にてそのようにコメントをして目を細めた。

 夏場に入り、一進一退を繰り返していたチームは大阪でのバファローズ2連戦に連勝し3連勝。ようやく本来の姿を取り戻しつつある。桜が咲き始めたころにスタートしたペナントレースも残すこと16試合。セミの鳴き声が消え、秋の虫たちの声が聞こえるようになってきた。この先に何が待っているのか。マリーンズ戦士たちは自分たちの力を信じ、突き進んでいく。

(千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)