貴景勝、覚悟の休場 1場所での大関復帰を断念 大相撲秋場所

AI要約

貴景勝が大関復帰を目指していたが、2日目に首の状態が悪く休場を決断。

復帰条件の10勝までの可能性を残した段階での決断であり、古傷の首の状態が影響していると思われる。

常盤山親方は貴景勝の気持ちを尊重し、九重親方も続ける気持ちがあると支持を示している。

貴景勝、覚悟の休場 1場所での大関復帰を断念 大相撲秋場所

大相撲秋場所で、1場所での大関復帰を目指していた関脇貴景勝が、その挑戦に自ら幕を引いた。師匠の常盤山親方(元小結隆三杉)によると、2日目の取組後、本人から「首の状態が良くないので、休場させてください」と伝えてきたという。再出場はしない意向だ。

初日から本来の押し相撲が取れず、2連敗だったとはいえ、まだ復帰の条件となる「10勝」の可能性を残した段階での決断である。精神力の強さに定評がある力士なだけに、いかに古傷の首の状態が思わしくないかがうかがえる。

常盤山親方は「首は大切。無理はさせられない」としたうえで、進退について「まだ28歳になったばかり。続けたい気持ちも強いのだろうと感じた。本人の思いを尊重してあげたい」と説明。現役の最後に大関からの陥落を経験した九重親方(元大関千代大海)は「私の場合は11年も大関を務めて燃え尽きたけど、貴景勝はまだできる。我慢して努力する姿を見せた方がいい」と背中を押した。

休場は今年だけで、すでに4度目だ。十分稽古できる状態まで戻せるか否かが一つの焦点になるだろう。

貴景勝は場所前、こんな話をしていた。

「治すことと鍛えることは反比例する。(稽古を)やりながら治せることもあるけど、基本的には休めるのが一番。ただ、相撲界は休めない。1カ月半に1回、場所がある」

休場すれば、それだけ番付は下がる。どんな道を選択するにせよ、相当の覚悟を伴う状況であることは間違いない。(宝田将志)