【K-1】無差別級トーナメントアジア予選に出場の日本人ヘビー級ファイターが合同合宿「K-1は日本発祥のもの。日本人が勝たないと面白くない」

AI要約

谷川聖哉、K-Jee、山口翔大、AKIRA Jrによる合同合宿が行われた。

各選手は今後の試合に向けて激しいスパーリングを行い、調整を行っている。

選手たちは日本代表として世界のヘビー級に挑戦し、自身の意気込みを語った。

【K-1】無差別級トーナメントアジア予選に出場の日本人ヘビー級ファイターが合同合宿「K-1は日本発祥のもの。日本人が勝たないと面白くない」

 2024年10月5日(土)エディオンアリーナ大阪『K-1 WORLD GP 2024』にて行われる、無差別級トーナメントアジア予選に出場の谷川聖哉(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)、K-Jee(K-1ジム福岡チームbeginning)、山口翔大(GENESIS)、そしてワンマッチ出場のAKIRA Jr(Team Aj)の4選手による合同合宿が神奈川・相模大野にあるK-1 GYM SAGAMI-ONO KRESTで行われた。

 今回の合同合宿に関して、谷川は「会見(8月26日)の時にみんなで話をして、今はいがみ合っている時じゃないなと。それぞれが福岡、大阪、僕は東京を拠点にしていて、どうしてもスパーリングパートナーがいなく、ミットと筋トレの練習だけだったら強くなれないし、K-1は倒しにいく競技なので『練習をみんなでしたいね』という話になりました。東京だと選手も多いので自分が今回、音頭を取らせてやらせていただきました」と同階級のライバル選手が集まった経緯を説明。

 今後、対戦する可能性もあるが、「その時はその時だと思っています。自分は追い込まれた状況なので、今はライバルとか言っているような時ではない。日本代表として出場し、日本を守らないといけない気持ちが強いので、日本人同士でそんなことをやっている暇はないと思います」(山口)、「俺たちは俺たちに勝つのが目標ではない。あくまでも一番を取るのが俺たちの目標であり、そこに行く過程で対戦することはあるかもしれないけど、一番になる目標のためには、ここで(合同合宿を)やるのはありだなと思って参加しました」(K-Jee)と合宿に参加したそれぞれの想いを語る。

 3日間ある合宿の2日目となったこの日、スパーリングが中心の内容となり、4選手どの組み合わせでもバチバチな打ち合いが繰り広げられ、試合に向けて良い調整ができていることをうかがわせた。

 練習後の囲み取材に応じた4選手。合宿の成果を聞かれた山口は「僕は普段、大きい選手とスパーリングをする機会がほとんどないので、日本の最高峰の3人で技術を共有できたのは大きい」といい、K-Jeeは「九州の選手とのスパーだと試したいことができるのですが、ここだとそれをさせてくれないので、このままじゃアカンなと(苦笑)改めて感じました」という。

 決戦まであと1カ月となり、今後の調整プランを聞かれると、山口は「残りの期間で外国人選手のパワーや技術には追いつかないと思うので、とにかくスタミナを磨きます。あとは空手の練習ですね。空手をK-1にアジャストするというのは僕の対外国人攻略の一番の近道だと思います」、谷川は「僕は技術に関しては世界一だと思っていますが、それを活かすパワーがなかったので、4月からフィジカルトレーニングメニューを変えています。あと3kgくらい体重を増やし、100kgくらいになりたいので、今は2時間に1食の1日9食にしています。(何を食べているか?)トレーナーに相談しているもので、それは秘密です(笑)」、K-Jeeは「心を最高の状態に持っていくことが一番。トレーニングも食事も仕事もいい状態に持っていければ最高の自分になると思います」とそれぞれの調整法で臨む。

 現在、対戦相手は決定していない状況だが、山口は「今はK-1を背負うつもりでいるので、新生K-1をなめんなよと思って毎日頑張ってます」と特に対戦相手関係なく練習していると話す。そして、谷川は「ぱっと見て強いやつとやることで、K-1のファンじゃない人から見てもらえると思うのでそういう選手とやりたい」といい、K-Jeeは「打ち合ってくれる人がいいですね。自分の相性のいい奴と殴り合いをしたい。そういう選手とやると会場を盛り上げやすい」と打ち合いのできる相手を希望した。

 最後に日本人として世界のヘビー級に挑むことへの想いを聞かれた3選手。

山口「日本人はヘビー級では勝てないと思われているので、僕たちの代でそれを覆したい。大谷翔平選手はメジャーリーグで活躍しています。野球、サッカー、ラグビーだと日本代表が世界で活躍して、格闘技はダメな理由はなく、僕たちK-1の日本代表も通用すると思います。僕がやってきたフルコンタクト空手では、日本人がずっと優勝していて、格闘技で殴り合いするという根本は変わらないので、世界と日本人が戦っても差はないと思いますし、K-1は日本発祥のものなので、日本人が勝たないと面白くない。日本人が制覇するのはそろそろかなと思います」

谷川「海外勢とのフィジカルの差は大きいと思いますが、日本人の良いところは粘り強さ、痛みに強いところ。海外の選手はそういうところが弱いので、そういうところを突いていけば勝機はあると思います。僕は正道会館でずっと空手をやってきて、離れた時期もありましたが、日本人の悲願である世界トーナメント優勝に向けて先輩方から圧をかけられてますし、その期待に応えられるのは僕しかいないと思っています」

K-Jee「強いと言われている海外の選手に立ち向かって打ち勝つというのが自分の目標やスタイル。日本を背負う気持ちは特になく、世界にしっかり挑戦して打ち勝ちたい」

 また、ワンマッチで滝上正太(聖空会館)と対戦するAKIRA Jrは、6月13日にルーマニアで開催された『K-1 FIGHTING NETWORK ROMANIA 2024』でオランダのレアンドロ・ディクモエと対戦し大激闘の末に2R KO負けを喫し、今回が再起戦となる。「外国人特有のフィジカルの強さを感じましたが、自分は打ち合うスタイルで自信になった部分があり、超えられない壁ではないなと実感しました」と試合を振り返る。

 今回合宿に参加し「今の環境ではなかなかスパーリングできず、今まで上の階級の選手とやってパワー負けしていた時もありましたが、今回同じ階級の選手とやってパワーが上がっているのを実感しています。当日までにキッチリ仕上げて、いいパフォーマンスができるなと確信することもできました」と手応えがあった様子を見せる。

 次の試合に向けてタイ・プーケットにあるタイガームエタイで強化合宿も予定しており、「色々と現地で吸収したい。(次に対戦する滝上は)蹴りが上手い選手ですが、K-1が求めている戦い方ではない。僕が壁になって、K-1の厳しさを教えたい」とした。

 最後に、今回の合同合宿の監督を務めるK-1 GYM SAGAMI-ONO KREST・高萩勉代表(2008~2010年に旧K-1の日本人ヘビー級ファイターとして活躍)は「ヘビー級の選手は各ジムに2人いればいい方だけど、なかなかスパーリングのパートナーもいない中、こういう機会はすごく大事だと思います。少しでも対外国人にできれば」と今回の合同合宿の意図を話す。

 自身も現役時代はヘビー級戦線で外国人選手との対戦経験があることを踏まえ「パワーで勝負したら絶対に勝てないので、頭を使って戦ってもらいたいと思います。相手の特徴を知って、弱点があればそこを突くための戦略も大事だと思います」といい、「日本人選手には全勝してもらいたいですけど、全敗になるかもしれないし、やってみないと分からないです。でも、1%でも勝つ確率を上げるのはこういう練習は絶対大事なので、頑張ってもらいたい」と日本人ヘビー級選手勢に期待を込めた。