「15勝して30本打ったらMVPクラスですよ」大谷翔平がエンゼルス時代に語っていたMVPのイメージ「不可能なことに挑戦している気持ちはないですね」
大谷翔平がメジャーリーグでの活躍やオフシーズンについて語る。
大谷翔平は自身がコントロールできることに注力し、相手の印象を変えることを意識している。
大谷翔平はコロナ禍の中、自らのプレーに心血を注ぎ日々を過ごしている。
ロサンゼルス・ドジャースで今季、メジャー史上6人目の40本塁打・40盗塁(40-40)を史上最速で記録し、史上初の「50-50」も視野に快進撃を続ける大谷翔平。いまや世界的なスーパースターとなった大谷とメジャー入りから7年間にわたって1対1で向き合い、独占インタビューを続けてきたベースボールジャーナリスト・石田雄太氏の著作『野球翔年II MLB編2018-2024 大谷翔平ロングインタビュー』(文藝春秋)より、内容を一部抜粋して紹介します。
第1回は、自身初のメジャーMVPを獲得した2021年シーズン前に明かしていた「オフの過ごし方とMVPのイメージ」についてーー。《全3回の第1回/第2回に続く》
ーー日米ともに新型コロナウイルスの感染拡大は収まらず、依然として先行きが見えにくい状況になっていますが、年が明けた今、どんな心持ちで過ごしていますか。
「僕はキャンプに向けて例年通り、いつもと同じだと思ってやっています。この2年は手術明けのオフでしたけど、今年は体調もよくなっていますし、今のところはかなり順調なオフだなと思っています」
ーー気持ちを前へ向けるために、どんな考え方を心掛けているんですか。
「日頃、自分で左右できないことは考えないタイプなので、何事も自分の行動ひとつで変わっていく、ということを意識しています。相手の気持ちは変えられないけど、印象を変えるために自分でできることはある。行いひとつ、言葉ひとつ、身なりひとつでちょっとずつ相手の印象が変わるかもしれない。相手の気持ちを変えようとするのではなく、相手の気持ちが変わるように自分でできることをしよう、ということです」
ーー今の大谷さんにとって、自分でできること、というのは何だとお考えでしょう。
「僕一人の力でコロナウイルスをなくすことはできないし、そこへ心血を注ぐことはありません。でも、たとえ無観客になったとしても、テレビで観るだけで胸が熱くなるプレーをすることはできる。だったら、そこに心血を注ごうということですね」
ーー年末年始は日本で過ごしていたそうですが、久しぶりの日本は堪能しましたか。
「自粛期間も必要でしたし、ほとんど家にいましたから、アメリカにいるのと変わらなかったですね。違っていたのは、冷蔵庫に入ってる食材が美味しくなっていたことくらいです(笑)」