【ボートレースコラム】川井萌が初優勝! 何やら静岡の女子レーサーが活気づいております

AI要約

8月19~24日に開催されたボートレース浜名湖のオールレディース。凱旋レースが注目されていた森下愛梨が膝を痛めてドクターストップし、穴を埋めた川井萌が初優勝を果たす。

川井はピット離れで後退する場面もあったが強い意志を感じさせるコース取りで1着に輝く。インパクトあるターンで見事な優勝劇を演じた。

静岡支部の女子レーサーが活躍し、浜名湖で今後もレースが熱くなることが期待される。

【ボートレースコラム】川井萌が初優勝! 何やら静岡の女子レーサーが活気づいております

 8月19~24日に開催されたボートレース浜名湖のオールレディース。前走地まるがめで初優勝を飾り、凱旋レースが注目されていた森下愛梨が初日2走後、膝を痛めてドクターストップ。ファンはもちろん本人にとっても無念の帰郷となった。

 その穴を埋める大躍進を見せたのが“浜名湖フレッシュルーキー”を務める川井萌(22=静岡)だ。森下から渡されたバトンを握りしめ悲願の初優勝で締めくくった。

 印象に残る優勝劇だった。2号艇の川井はピット離れで後退し大外かと思われたが、前付けで3コースを奪取。強い意志を感じずにはいられないコース取りとなった。それを超えるインパクトを残したのが一度も舟を暴れさせることなく鋭い舟の向きで突き抜けた1コーナーの捲り差しだ。

 同じ戦法で1着となった準優よりも完成されたターンだった。優勝後のインタビューでは「ピット離れで遅れ、動揺して何も覚えていない」と語ったが、その状況で最高のパフォーマンスをやってのけた。決して偶然ではなく、十分な準備を整えて臨んだ結果だと確信している。

 三浦永理、長嶋万記といった静岡支部二枚看板を破っての価値ある優勝となったが、見ての通り優勝戦は6人中、3人が地元勢。何やら静岡支部の女子レーサーたちが活気づいている。

 来年8月、浜名湖で開催されるレディースチャンピオンの出場権を懸けた戦いが今年6月から始まっているのだ。また来年2月には各場のタイム上位者が優先出場となる第1回スピードクイーンメモリアルも浜名湖での開催だ。夏場のタイム更新は難しいが、参考期間は今年11月30日まで。気温が下がれば熱いタイムアタックが繰り広げられるだろう。

 高いモチベーションでレースに臨める静岡支部女子レーサーの活躍が今後も各地で聞こえてくるだろう。(梁島 幸子)

 ◇梁島 幸子(やなしま・さちこ)1965年(昭40)8月16日生まれ、栃木県出身の59歳。86年に第59期ボートレーサーとしてデビュー。引退後はスポニチに入社しボートレース担当へ。予想はメンタル面を重視。