岩田康誠の休日 ジェットスキーで登場!「もう一度GⅠ勝ちたい」

AI要約

GⅠ通算35勝のトップジョッキー・岩田康誠(50)が、栄光と挫折の騎手人生を振り返りながら、普段の姿とは異なる一面を見せるインタビューを受ける。

岩田康誠は特異な指定方法での待ち合わせを行い、ジェットスキーでのドライブを楽しむ。その天才性が魅力的に描かれる。

バーベキューパーティーで記者や仲間を歓待し、裏表のない優しい面を見せる岩田康誠。しかし、彼の感覚は常人とは異なるようだ。

岩田康誠の休日 ジェットスキーで登場!「もう一度GⅠ勝ちたい」

 GⅠ通算35勝のトップジョッキー・岩田康誠(50)がインタビューに応じ、栄光と挫折の騎手人生を語り尽くした。2024年は年明けの京都金杯を勝って幸先のいいスタート。夏場は函館記念、札幌記念を連勝したものの、本人の表情はなぜか浮かない。いったい彼は何を考え、どこに進もうとしているのか。

 8月下旬、かねてインタビューを約束していた岩田からこんなメッセージが届いた。

「琵琶湖をバックに撮影しましょう。仲間とバーベキューするので来てください!」

 指定された場所はJR湖西線のとある駅。午後1時、改札口に着いたが岩田の姿は見当たらない。すると「浜に出てください。今ここにいます」とLINEメッセージが入った。添付の画像には一面に広がる湖と空。こんな難解なクイズは人生初だ。画角の端に写った白い小屋と撮影角度を計算し、浜辺で岩田を探し回った。喫茶店で取材すると思っていた記者はスーツに革靴だ。

 いったい岩田はどこにいるのか。なかなか発見できず浜辺をオロオロしていると、またLINEが届いた。「僕は緑色のジャケットを着ています!」。待ち合わせ場所を言わず、服の特徴を伝えるとは…。やはり天才だ。この感覚があるから、あんなイン突きができるのだろう。

 ダラダラと汗を流して歩くこと15分。「おーい!」。声は浜ではなく、湖から聞こえた。なんと岩田はジェットスキーで水辺から登場したのだ。「緑のジャケット」とはライフジャケットのことだった。驚きを隠せない記者に対し「後ろに乗ってください! 濡れてもすぐ乾きますから」。おそらくスーツと革靴でジェットスキーに乗るのは人生1度キリだろう。天才ジョッキーに身を任せ、時速110キロで沖へ疾風した。

 発進して数秒でシャツと靴はビショビショ。だが、それ以上にポケットのスマホ、カバンに入ったパソコンとカメラが気になり、生きた心地がしなかった。革靴はどうでも良かった。会社支給の機材だけは死守しなくてはならない。恐怖と不安に襲われながら、必死で岩田の胴にしがみついた。風が強かったせいでジェットスキーは上下に激しく揺れた。だが、天才騎手はヒザをクッションのように上手に使い、水上のじゃじゃ馬を乗りこなした。この男に任せれば大丈夫だ。騎手と馬の絆はこうして生まれるんだろう。

 ジェットスキーはバーベキュー会場の浜に到着。浜に乗り上げて船を止めることはできないようだ。この時点で下半身が水に浸かることが確定。不思議と嫌ではなかった。スマホとパソコンが無事だったことが何よりうれしかった。浜に上がると、岩田は「すんません。すぐに乾きますから、大丈夫です!」と笑顔を輝かせる。記者の靴下と革靴を丁寧に干し、お肉を焼いてアヒージョやパスタなど料理を振る舞ってくれた。「ドンドン食べてください」。裏表のない優しい男だ。ただ、確実に感覚はぶっ飛んでいる。