【レスリング】父、母、子で学生王者本名一晟、次の目標は全日本選手権制覇から世界へ

AI要約

新潟市出身の本名一晟が、全日本学生レスリング選手権で初優勝し、国内トップを目指す誓いを立てた。

インカレ制覇から目標を全日本レスリング選手権優勝に定め、次なる挑戦を誓った。

学生王者として高い志を持ち、両親や先輩選手に刺激を受けながら、次なる舞台での成功を目指す準備を進めている。

 8月の全日本学生レスリング選手権(インカレ)男子グレコローマンスタイル72キロ級で初優勝を飾った新潟市出身の本名(ほんな)一晟(育英大3年)が、国内トップを目指す誓いを立てた。

 新潟県勢のインカレ制覇は、97年にフリースタイル69キロ級を制した父栄仁(えいじ)氏(48)以来、27年ぶり。学生王者として、次なる目標を全日本レスリング選手権(12月19~22日、東京・代々木競技場第2体育館)優勝に定めた。

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 本名ははっきりと口にした。「次は全日本選手権で優勝です」。インカレ後は新潟市の実家に帰省。栄仁氏が主宰する「巻っずレスリングクラブ」で軽く体を動かしながらリフレッシュに努め、6日から育英大で本格的に練習を再開する。

 インカレ決勝では、それまで対戦成績1勝1敗の小野健作(日体大4年)に判定勝ちした。高校、大学を通じて初の全国制覇に「圧を大切にした。これからも練習で意識していく」と相手に圧力をかけて前に出る自分の形に手応えを得た。

 参考にしているのは、パリ五輪の男子グレコローマンスタイル60キロ級金メダルで、母校韮崎工(山梨)の先輩でもある文田健一郎(28)。女子では育英大OGの桜井つぐみ(22、57キロ級)と元木咲良(22、62キロ級)も頂点に立ち、「身近にすごい人たちがいる」と大きな刺激をもらった。

 県勢の学生チャンピオンは、日体大3年時に栄仁氏がフリースタイル69キロ級を制して以来27年ぶり。母亜里さん(46)も日大4年時の99年に全日本女子学生選手権62キロ級で優勝しており父、母、子での王者は大会史上初だった。高校進学時に故郷を離れたが「新潟から久しぶり(の王者)というのはよかった」と、自身のルーツへの思いは強い。

 12月の全日本選手権で優勝すれば、00年にフリースタイル58キロ級を制した関川博紀(現八海高教員)以来24年ぶりの県勢王者となる。そして、その先には来年の世界選手権代表の座が見えてくる。グレコローマンスタイル72キロ級は五輪にはないため、世界選手権が最高舞台。「もちろんそこを狙っていく」と力を込めた。学生王座は通過点。さらなる高みを目指して進む。【斎藤慎一郎】

 ◆本名一晟(ほんな・いっせい)2003年(平15)10月14日生まれ、新潟市出身。レスリングは3歳から巻っずレスリングクラブで始める。巻西中では柔道部に所属しながら競技を続け韮崎工(山梨)に進学。3年時に全国高校グレコ選手権65キロ級2位。育英大では23年にインカレ準優勝、JOC杯準優勝、東日本学生新人選手権優勝、U20アジア選手権出場。172センチ。