「真佑、バレーうまくなったね」石川真佑(24歳)に届いた親友からのメッセージとは?「高校の頃は一緒に泣いたり、笑ったりできたけど…」

AI要約

バレーボール女子日本代表・石川真佑(24歳)は新シーズンに向けてイタリアへ向かい、4年後のロス五輪を目指して新たなスタートを切った。

パリ五輪での結果に失望しつつも、石川の奮闘に驚いた親友・野呂加南子との関係についても明かされる。

石川はイタリアでの2度目のシーズンに向けて充実した姿勢を見せ、自己成長とチームの成功を目指している。

「真佑、バレーうまくなったね」石川真佑(24歳)に届いた親友からのメッセージとは?「高校の頃は一緒に泣いたり、笑ったりできたけど…」

 バレーボール女子日本代表・石川真佑(24歳)はイタリアでの新シーズンに向けて、そして4年後のロス五輪に向けて新たなスタートを切った。パリ五輪では思うような結果を残せなかったが、その奮闘する姿に驚いたのが下北沢成徳高校時代の同級生・野呂加南子(元東レアローズ)だった。親友が語る、変化とは? 【NumberWebインタビュー全2回の2回目】

 パリ五輪の閉会式から2週間が過ぎた8月26日、石川真佑はイタリアへ向け飛び立った。

 今シーズンから加入するノヴァーラは、昨シーズン在籍したフィレンツェがレギュラーシーズンを10位で終えたのに対し、4位でプレーオフにも進出した強豪。初めての海外挑戦ながら、ほぼ1シーズンを通してレギュラーで活躍した石川への評価が高かったことを示すには十分だ。

 バレーボールのスタイルから生活面まで、何もかもが初めてだった1年前とは異なり、イタリアで迎える2度目のシーズンに向けた抱負を語る石川の表情は、髪色と同様に明るい。

「オリンピックでイタリアが金メダルを獲った。国自体もすごく盛り上がっているし、イタリア代表だけでなく世界トップ選手がたくさん集まる中でプレーできるのは、すごく嬉しいし、楽しみですよね。ものすごい人ばかりと対戦する中、自分がどう打開するかということ自体も学びだし、一つ一つのプレーの質を高めたい。オリンピックでも思い知ったので、劣勢や苦しい時、大事な場面でこそ確実に1点を取り切る力もつけたいです」

 とはいえ、昨シーズンを終えた時も帰国から数日で日本代表の合宿に合流し、パリ五輪まで怒涛の日々を駆け抜けた。もう少し休んだり、リフレッシュをしても罰は当たらないのではないかと話を向けると、「ないない」と満面の笑みを浮かべる。

「休みがあっても、これといってやることがないんです(笑)。相変わらず、趣味もないですから」

 無趣味については、公言する石川自身のみならず、証言者もいる。

 小学6年時のエリートアカデミー合宿で出会い、後に下北沢成徳高校の同級生として数々の全国大会を制覇した野呂加南子だ。2019年に東レに同期入社。共に出場機会を重ねながらも、石川がイタリア挑戦を決め退団発表したのと同じ23年5月に東レを退社。現役を引退している。

 練習がない休日も寮の部屋にこもりがちな石川を誘い、「ドーナツ店で全メニューを制覇する」とか「好きなフルーツを買いまくる」などYouTuberさながらの娯楽に付き合わせるのが野呂の役割。「無理でしょ」と言いながらも、なんだかんだ付き合ってくれるのが石川だったと野呂が笑う。

「基本的に真佑は真面目で慎重だから、自分からこれやろうとか、やりたいとか言わないんです。でも根はテキトーだから、フルーツを買う時も、一応上限はトータル1万円と決めたのに、シャインマスカットを買いまくって、1万円も軽くオーバーした。うそでしょと爆笑しながら2人でひたすら食べました(笑)」

 現役を引退してから、野呂はほとんどバレーボールを見なかった。嫌になったとか、離れたいというわけではないが、あえて見る理由がなかった。石川が日本代表として活躍しているのはもちろんわかっていたし、応援する気持ちに変わりはなかったが、結果もインターネットで見る程度。特別、意識していたわけではない。

 野呂の性格を知る石川からも「加南子、いつも私が出ていても試合、観ていないでしょ」とからかわれ続けてきた。だがそんな野呂が唯一、石川から「たまには観て、応援してよ」と言われたのを機に、食い入るように観たのがパリ五輪だった。