2年までは補欠 サニブラウン弟を昇格させたのは元Jリーガー社長「彼らなら必ず成功できる」

AI要約

J1アビスパ福岡は福岡U-18から2選手をトップチームに昇格させることを発表した。

前田一翔はクラブ最年少出場記録を持ち、攻撃力と守備力の両面で注目されている。

サニブラウン・アブデル・ハナンは兄が五輪選手であり、スピードやパワーに優れていると評価されている。

2年までは補欠 サニブラウン弟を昇格させたのは元Jリーガー社長「彼らなら必ず成功できる」

 J1アビスパ福岡は26日、福岡U―18(18歳以下)からサニブラウン・アブデル・ハナン(18)と前田一翔(いちか)(18)が来季トップチームに昇格すると発表した。同日、福岡市内で会見した元Jリーガーの結城耕造社長(45)は「実力としてトップチームをさらに強くしていく戦力と見て昇格させた。私もプロのサッカーをやっていたのでそれなりの目を持っていますが、彼らなら必ず成功できると思っている」と期待を寄せた。

 前田は昨年3月のYBCルヴァン・カップ柏戦で、クラブの公式戦最年少出場記録(16歳9カ月)を樹立。柳田伸明強化部長(53)は「ドリブルの突破や、相手DFラインの裏を突いてフィニッシュに結びつける力、クロスに飛び込んでいくなど、得点の形をさまざまに持っている。守備も献身的に行い、フィジカルコンタクトも強い」と絶賛する。

 陸上短距離で五輪2大会に出場したサニブラウン・ハキーム(東レ)を兄に持つハナンに関しても「スピード、パワー、また高さに関しては、もう高校のレベルを飛び超えている。特に相手ボールに飛び込んでいく迫力はウェリントン級。磨けば光るダイヤモンドの原石」と評する。

 前田はプリンスリーグ九州で得点ランクトップの11ゴールをマークし、ハナンも前田とともに7月の日本クラブユース選手権で4強入りに貢献。高校年代で結果を出しての昇格だが、柳田強化部長は「決してエリートではない」と強調する。

 「(福岡県須恵町出身の前田)一翔は地元のクラブで努力してここまで力をつけてきた。ハナンは先発でプレーするようになったのは高校3年生になってから。試合を重ねるごとにわれわれも本当に驚くほどの急成長を見せている。今試合に出ていないアカデミーの選手たちもいると思うけど、彼らの希望になれるような選手になってもらいたい」と2人の昇格による波及効果にも期待する。

 前田もサニブラウンも4年後は22歳で2028年ロサンゼルス五輪世代。柳田強化部長は「われわれも強豪クラブに向かって少しずつ歩みを進めているけど、そんな中で2人がアカデミー出身の選手としてオリンピックで活躍してもらいたい」。21年東京五輪4位に貢献し、世界で活躍する冨安健洋(アーセナル)に続く飛躍を期待した。(末継智章)